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『例えばの手紙』から派生。
シリアス、死ネタです。















その顔が目に入ると直ぐに踵を返した。

「雲雀!」

しかし少し遅かった様だ。名を呼ばれ渋々振り返ると走って近付いて来る男。

「極限久しぶりだな!飲みに行かんか?」

この男は酒を飲めるようになってから何かと言えば飲みに誘って来るが、僕がそれを受けた事はない。

「行かないよ。それに…あの子の葬儀で会ったでしょ」

「…そうだったな」

答えれば柄になく辛気臭い顔をされてため息が洩れる。

「用はそれだけかい?」

なら行くよ、そう再び踵を返したのに背中から慌てた声が掛かった。

「待て、これを持って行け」

「…何?」

顔だけ振り向けば何かを差し出している。…手紙?

「沢田からだ」

「…綱吉、からだって?」

訝しんで眉を寄せれば無理矢理手を取られて押し付けられた。

「やはりアイツは極限熱い男だった!」

「は?」

なに、その捨て台詞。笹川は一人で燃え上がってそのまま走って行った。意味が分からない……いや、これが原因か。

「手紙…ね」

いつ書いたんだか。ここ最近の彼は休みなんてなかった筈だけど。そのお陰で入江と落ち合うのにもどれだけ手間が掛かった事か。

「…君はやはり死を覚悟していたの」

答えを知りたくて手紙に書かれた文字を追う。

『感謝している事は知っていてほしいです』

「知ってるさ」

『ヒバリさん、ありがとうございます』

『ありがとう恭弥さん』

君はいつどんな小さな事であっても必ず伝えて来たのだから。…いつしかそれが欲しくなる程に。

『もう少しだけボンゴレの力になって下さい』

生きて戻るという約束を破った君なのに、お願いなんてね。虫が良いと思うけど。

「…でも、過去の君の事は頼まれてあげるよ」

だからもう一度会えたその時は、またそれを僕に頂戴。

『ありがとう』







end*




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あきゅろす。
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