SS
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「ひ、ヒバリさんなんて嫌いです」
珍しく突然訪ねて来たかと思えば、そう言って直ぐに出て行こうとする綱吉の腕を掴んで、引き止めた。
柄にもなく焦ったからか力が強すぎた様で、彼は眉を顰めたけれど気にしている余裕は僕にはない。それに力を弱めれば逃げ出してしまうから。
「…待ちなよ、どういう事」
「痛、痛いですっ」
「答えなよ綱吉」
「……言えません!」
「どうして」
「だって」
「何」
「だって俺…」
問い質すと綱吉は俯いて震える。……、何か、妙だ。
「俺、お仕置きされるんです!」
「!」
ズガン、パァン!
「ゲームオーバー」
突然の銃声の後クラッカーの様に色紙が舞い、おどけた子供の声がかかる。僕は綱吉を一瞥してから振り返った。
「……赤ん坊。どういう事」
「遅れてきたエイプリルフールだぞ」
「何それ」
部屋に入りもしないで窓の外から答える彼に眉を寄せると、後ろから綱吉が申し訳なさそうに補足する。
「わざと日にちずらして嘘をつく。それでリアルな反応を見るっていう、またリボーンの思い付きです」
「おかげで面白ぇもん見せてもらったぞ、雲雀」
「遊びが過ぎると咬み殺すよ赤ん坊」
「また今度な、チャオ」
滲ませた殺気を軽く流した彼はそのままヒラリと居なくなる。仕方がないから振り返って、残された綱吉がまた逃げ出そうとするのを制止して問うた。
「…さっきのは嘘?」
「はい。ご、ごめんなさい!」
「……そう」
答えにほ、と安堵の息を吐き出すと綱吉を抱き寄せる。本気にしてあんなに焦ってしまうなんて僕は。
「ひ、ヒバリさん?」
「何」
「か、咬み殺さないんですか…?」
怖ず怖ず見上げてくる綱吉に先とは別種のため息を吐いて、耳元にボソリ。
「咬み殺されたいのかい?」
「めめめ滅相もないです!」
するとぶるりと身を震わせた綱吉が、僕の腕の中で千切れそうな程に激しく頭を振るから。
「でも償いはしてもらうよ」
「な、なんですか…?」
押さえ付けてからもう一度耳元で囁いた。
「好きって言うまで帰さない」
end*
三日過ぎたエイプリルフールネタでした←
でも、リボーンならしそうだよね!
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