SS
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「僕は今から嘘をつきます」
窓から進入してくるなり骸はそう前置きをした。そんな宣言されても俺が出来る返事といえばこれくらいではないだろうか。
「う、うん」
「では」
頷いてやると何やら深呼吸までして気合いを入れる骸。
「僕は綱吉君が嫌いです」
「………は?」
「嫌いです」
「あ、うん」
「発狂するまで痛め付けて契約して意識を残したまま君の体で目茶苦茶してやりたい程嫌いです」
「……………」
目が、マジなんだけど…。とりあえず気休めで一歩距離を取った。
「今すぐ捩じ伏せて君を鳴かせたい……と、ああニュアンスが違いましたね。これでは本音だ」
今凶悪な笑顔浮かべて訂正する内容だったか?もう二歩後ずさった。
「ちょっ、そんなに怯えなくとも嘘だと前置きしたじゃないですか?!」
「いや、怯えじゃなくて引いてるんだよ。しかも後半本音とか言ったよね」
焦る骸に胡乱気な目を向けると余計焦り出した。やっぱり怪しい、実は新しい宣戦布告とかじゃないだろうな。
「いや、だから、今日はエイプリルフールですよ?!」
「そだっけ?あー、だから嘘ね」
俺が納得すると、骸はそうです、と勢いづいた。
「だから、嫌いというのも嘘なんですが」
「それは最初に聞いたよ」
困惑して眉を寄せれば、一瞬固まった後骸は呆れた様にため息をついて俺を睨んできた。なんだよ、と返すともう一度ため息。
「…君は鈍いにも程がある。嫌いは嘘、要するに、本当は君が好きだと言っているんです」
「……へ」
「ああもう、君は。今日の所は帰ります。次回までに理解していなければ強行手段に訴えますからそのつもりで!」
思わず呆けた声が出たのを理解していないと取られたのか(いや、実際してないんだけど)、骸は苛立った風に言い捨てて窓枠に飛び乗って。
「…ちょ、ちょっと骸!どういう意味っ…」
…行ってしまった。
「……なんだったんだ?」
えぇと。今日はエイプリルフールで。嫌いは嘘で。本当は好きで…ああややこしいな嘘が嫌いで本当が好き?嫌いじゃなくて好…………え。
「好き…?好きって、え?」
骸の言葉を反芻した俺は意味を理解出来ずに疑問符をいっぱい浮かべて固まった。
しばらくそうして、思い付くのは。
「あっ!今日はエイプリルフールだから。これも嘘かぁ。アイツわざわざこんな回りくどい嘘つきに来たのかよ。…って事はやっぱり俺の事痛め付けたいぐらい憎いの?!あと強行手段ってなんだ?!」
嘘と本当、強行手段の意味、それが分かるのは次に骸に会った時。その時自分の鈍さを痛感するのだった…。
end*
回りくどい告白に気付いて貰えない骸。
そして仕返しも含めツナは強行手段で嫌でも分からされるんだね←
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