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SS
※3/26


!CAUTION!

*若干裏表現(かなりぼかしてます)
*シリアス。かなり暗い
*リボ←ヒバツナ風味(?)ですが、 最終的にはツナ→+10ヒバ→←10ツナと入り組んだCP。
*回想に飛んだり場面が飛んだりラジバンダry
*要するに全体的に分かりにくい。

以上踏まえてオッケーな方はスクロール↓↓↓



























意識の闇で君が静かに微笑む。
それは意味のない笑みで、ただ間を埋める為のものであった気がする。

『雲雀さんはどうして』

どうして、その後何と問われたのだったか。靄が掛かった様に思い出せない。

どうして、僕は――

答えも忘れてしまって、僕はとりあえず口を動かした。何かを、言ってはいるみたいだ。君の目がほんの少し揺らぐ。

『あなたは、俺なんか見てない』

違う。

『俺の後ろのアイツを見ているんですよ』

違う違う。

『雲雀さん、どうして俺を抱くの?』

違う違う違う、

『どうして、』

――どうして

『認めないの?』

違う違う違う違う!

僕はっ……、

君は僕の声を無視しながら優しく微笑んだ。

………綱吉!!




















「ヒバリさん…っ!」

ビクン!

「……っは、」

ギュウッと抱きしめられる圧迫感に意識が覚醒した。余韻で安定しない呼吸と視界にグルグルと名残が渦巻く。

「ヒバリさん、ヒバリさん」

「………」

頭の映像の中の彼より高めの声にホッと息を吐き出せば、何かが軽くなった様な気がして。

「綱吉、」

「ヒバリ…さ」

名を呼べば気付いた様で、彼より幼い顔がこちらを向き、その大きな目が涙を溜め込んで僕を映す。

「何を泣いているの」

「い、いくら呼んでも目を覚まさない、から」

言葉の間でボロボロと零れ出した涙を指で拭えば、小さな肩がビクリと揺れた。怖いのかな。

―どうして?

「……っ!」

一瞬泣く彼が記憶の中の笑う彼と重なって、思わず目を伏せる。
駄目だ、これ以上は。

「ヒバリさん?」

「――触るなっ!」

「!!」

心配して伸ばしてきた彼の手を思わず叩き落として、すぐ後悔と共に伏せた目を上げて、また後悔した。

「………綱吉」

怯えと驚きと悲しみを含んだ表情。あの時の彼と同じ、壊したくなる目…。

「ヒバリさん…?」

―雲雀さん、どうして。

「ヒバ……っん!?」

駄目だと警報を鳴らす同じ頭のどこかで、壊してしまえとあの時の僕が笑った。



















不安と恐怖で怯えた目。何故?
…ああ、僕が押し倒したからだ。理解すると自然に持ち上がった唇に、ビクリと君が震える。

「ヒバリさ……どうしてっ」

「どうして?」

知らないよ、体が勝手に動いたんだから。
唇の角度をそのままに答えて、怯えるのも構わず首筋にキスをする。余計に強張った体に笑みを洩らし、指で服の上から薄い胸板を撫でた。

「ヒバリさん!」

「煩いな、少し黙りなよ」

殺気を放つと固まる彼の、搦め捕った両手を頭上で纏めて固定すると恐怖の色が濃くなる。それに満足して片手でシャツのボタンを外しながらまた首筋に顔を埋めた。




















「……ヒバリ…さん、」

段々と僕を呼ぶ声が湿り気を帯びてくる。多分、泣いてるんだろう。そう思うと一気に興が削がれる。

「煩いって言って…」

「好きです」

「……っ!」

何を言ってるんだこの子は。今僕が何をしているか分からない訳ではないだろうに。

「好き…なんです。俺…」

―あなたは、俺なんか見てない。

「ヒバリさん、が」

―俺の後ろのアイツを見ているんですよ。

「好……」

「違う!!」

「っ!あ、ひぁっ」

「君は違う。僕を好きなんかじゃない!」

「違っ…ヒバリさ…ぁあ!」

「黙れ!」

「ど、して…っヒバリさん、ヒバリさん……ああっ!」





















僕の下で泣く幼い彼にあの時の君を見た。涙なんて流れてなかったけれど、あの時の君も確かに泣いていた。

君を犯したあの日。けれど僕は満たされなかった。満たされなかったのに繰り返して泣かせて。いつしか君は泣かなくなって僕を受け入れた。

なのに最後には、拒絶したね。残酷なまでに優しく。

『ヒバリさんは、どうして』

どうして?

「どうして、ヒバリさん」

……ねぇ、赤ん坊、君の仕業だろう?
君の代わりにあの子を抱いた僕に、罰を与えているんだろう?

『あなたは、俺なんか見てない』

違う。確かに最初はそうだった、でも。

『俺の後ろのアイツを見ているんですよ』

君は何も分かってない。僕は既に君を………。

『ヒバリさん、どうして俺を抱くの?』

それは君を抱きたいから。

『どうして、認めないの?』

間違っているからだよ。

『どうして……泣くの?』

それは間違えてしまったからだ。

「綱吉」

そして君は優しく微笑む。

「ヒバリさん」





嗚呼なのにどうして、





同じ過ちを繰り返す?










「どうして、泣くの?」







end*




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あきゅろす。
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