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山綱獄 2/26


平凡な木曜日。授業を終えると、いつもの三人で学校から綱吉の家へと直行した。
そこで特に何をするでなくお喋り。
今日数学で当てられた問題答えられなくて恥ずかしかったとか、あれは俺も分からなかったのなーとか、当てやがった先公果たして来ましょうか、とか、いつも通りの会話は

「…ん?十代目、ファッション雑誌なんて見てたんですか?」

そんな一言で流れを変えた。

「ああ、うん」

綱吉が困ったように頷く。
別に年頃の男の子の部屋にファッション雑誌が置いてあるなんて不思議な事ではないが、その部屋の主が綱吉なのだから話は別だ。彼はそういった事に疎く、ダサいというわけではないが、かといってオシャレでもない普通の中学生男子。雑誌なんて読むタイプではない(少なくとも獄寺や山本は今まで彼の部屋で見掛けたことはない)。そうなると急にファッションに目覚めたということになる。だとすれば、そうなるきっかけというのがあるはずで。

(恋か!恋なのか…?!)

(笹川とデート、とか…まさか、な)

密かに綱吉に想いを寄せる身である獄寺と山本は、それぞれ勝手に想像し、危機感を募らせ。

「ビアンキがさ、俺はもうちょっとオシャレを勉強した方が良いって持って来たんだ」

という事の真相を話す綱吉の声を右から左に受け流してしまった上

((負けてらんねぇ))

と、勝手に燃え上がってしまったのである。

「ツナ。今度一緒に買い物いかねぇか?」

「宜しければコーディネートしますよ!」

「え?あ、うん…ありがとう…?」

そうとは知らない綱吉は妙に食いついてきた二人に疑問を抱きながらも、きっと自分のために言ってくれているのだ、とポジティブシンキングで頷いたのだった。

後日実際にショッピングに出掛けたが、綱吉が二人にコーディネートされた服は、女の子と間違われそうな可愛らしい物や到底似合わない男らし過ぎる物が多かったとか。







end*

見せたい相手が自分以外なら、相手が気に入る様な格好は避けさせようという魂胆(笑)




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