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「…あれ」

応接室に入るなり綱吉は首を傾げた。

「ヒバリさん、眼鏡」

雲雀が珍しく眼鏡を掛けていたのが気になったようだ。それにああ、と思い出した様に呟いて雲雀は目を細める。

「見えづらい気がしてね」

「目が悪くなっちゃったんですか?」

「さあ…一時的な物だと思うけど」

そうですか、と返しながら綱吉はぼんやり思った。

(眼鏡掛けてると真面目そう)

「あでっ!」

するといきなり近寄って来た雲雀に殴られてしまう。

「何するんですか〜」

「今失礼なこと考えたでしょ」

「か…考えてません!」

「ふぅん」

(なんでバレたんだろ?)

「顔に書いてるんだよ、君は」

「んな…っ」

指摘されて慌てて顔を押さえてみるけれど自分で分かるはずもなくうなだれてから、怖ず怖ずと再び見慣れぬ雲雀の眼鏡姿を見上げてみる。
隙間から切れ長の目が覗いて、いつもより格好良く知的に見える。思わず綱吉は見とれていたが、眼鏡の向こうの目がふっと細まったから笑っているのだと気付いて赤面した。

「そんなに雰囲気変わるかい?」

「はい。か、カッコイイです」

正直に答えると、また雲雀がクスリと笑む。

(雲雀さんて)

今なら何を言われても頷いてしまいそうだ、と綱吉はホウッと酔う様な息を吐いた。

(俺を捕まえておくのが上手い――)







end*

雲雀さんのメガネは色気が三割増しに違いない。




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あきゅろす。
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