SS
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僕は動物が好きな方だ。
特に鳥や兎といった小動物には好かれる。
だから、やっぱりあれも小動物の類なんだと思った。
「ヒバリさん、今日は一緒に帰れますかっ?」
授業終了のチャイムが鳴った後しばらくして、元気良く綱吉が応接室の扉を開けた。
丁度今日の分の委員会の仕事は終わったところだ。
「うん。ねぇ、少しお茶して行かない?」
肯定と提案をすれば、満面の笑みを浮かべて綱吉は頷く。
それに目を細めて、給湯室へお茶とお茶請けを用意しに立ち上がる。と、綱吉が小走りで僕の後を着いて来た。まるで子犬だ。
思わず子犬になった綱吉を想像して口元を緩ませながらポットにお湯を沸かす。
「今日は何ですか?」
「今日はアップルティーとスコーンだよ」
「わあ!」
答えながら先にスコーンを見せると、美味しそう、と目を輝かせて綱吉は感想を漏らした。このスコーンはホワイトチョコ入りだからきっと気に入るだろう。
「ほら、持って行って」
「はい」
スコーンは任せて、ティーパックを入れたカップにお湯を注いで応接テーブルに運ぶ。
「良い匂いですね」
それにクンクン、とこれまた子犬の様に匂いを嗅ぐ動作をして綱吉は目を細めた。
(やっぱり、小動物だね)
手を伸ばして柔らかい頬を撫でると大きな目が僕を捉える。
「ヒバリさん?」
「ねぇ綱吉…ワンって鳴いてみなよ」
「な!?鳴きませんよ?!」
「残念」
フフ、と笑うと綱吉は赤い顔でスコーンを頬張った。その様子は犬と言うよりリスに似ていたけど、やっぱり君が人間で良かったと僕は思うよ。
end*
落ちが弱いですね…と言うより全体的に?うぅむ。
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