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SS
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「だから違うんです!」

「何が違うんだい?」

何やら言い争いながら帰宅する綱吉と雲雀。学校を出る時からこうだった。

「俺が転びそうになったのを山本に助けてもらっただけで…」

「ふぅん。で、抱き着いてたんだ」

「うぅ…」

どうやら転びかけた綱吉を山本が助ける瞬間を、雲雀が目撃してしまったらしい。

「すみません」

「謝るって事はやましい事があるんだ」

「違っ…!」

ドン!

必死に雲雀に説明していた為に前方への注意が疎かになっていた綱吉は、曲がり角の出会い頭に人とぶつかってしまった。

「痛っ…、すみませ」

「すみませんじゃねーよ」

「!」

「あー痛ってぇ。どうしてくれんだ?」

相手は見るからに悪そうな高校生。しかも、一人じゃない上許してくれそうにない。綱吉の顔が青ざめる。

「…それに手を出さないでくれる」

だが、綱吉の後ろから不機嫌そうな声がして、すぐに彼らが顔を青ざめる事になった。

「…!?ひ、雲雀恭弥?!」

「僕今機嫌が悪いんだ」

その殺気の篭った低音に、思わず綱吉まで怯えてしまう程。
そして高校生達が逃げようとした次の瞬間には、雲雀のトンファーが彼らを襲っていた。実に呆気なく倒れ伏した高校生達は運が悪かったとしか言いようがない。
雲雀は興味を失ったように彼らから視線を外し、呆然と立つ綱吉を見た。

「さあ、次は君の番だ」

「あ、はい…ってえぇぇ!!?」

思わぬ指名に跳び上がる程驚いて、綱吉はヒバリから半歩後ずさる。

「弱いから誰かに守られなきゃいけない。なら、強くすれば良いと思わないかい?」

「ひ…」

トンファーが自分に向けられている事で雲雀の本気を感じ取りながら、綱吉はいつもの様に首を横に振ることは出来なかった。

(俺の、ため…ヒバリさんのため)

「お願いします!」

「うん」

その後修業と言う名の愛のムチを雲雀から受けた綱吉だったが、次の日にはもう同じことを繰り返していたと言うのはまた別の話。







end*

ツナは鈍臭くてイイ。




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あきゅろす。
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