「あー、雪が降りそうッスね」
厚い雲に覆われた空を見上げて獄寺君は呟いた。
「そうだね。どうせ寒いならいっそ降ってくれた方が良いかも」
それに答えると、珍しそうに顔を覗き込まれる。
「…意外ッス。なんとなく十代目って、寒いのとか苦手なイメージがありました」
「苦手だよ。でも、同じ寒いなら綺麗な方が良いから」
獄寺君に向かってニッコリ笑ってから、それに、と続けた。
「獄寺君と一緒なら寒さも半減するんだよ?」
「……!!そ、そうッスか…」
顔を真っ赤にした獄寺君がごまかすように吐き出すタバコの煙が、冬の空気にゆっくり溶けてゆく…。
雪が降るにはもう少しかかりそうだ。
end*
甘い…!
獄綱はピュアなイメージです*