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リボツナ 1/21
――ガクン、
深夜、足を踏み外す感覚で目が覚めた。
汗で額に髪が張り付いていて、良くは覚えていないけど怖い夢を見た気がした。
暗い、怖い、誰か。そう助けを求めようとした時に聞こえて来た声。
「…すぴー。すぴー」
リボーンの寝息だ。
それにホッと安堵の息を吐いて、布団から這い出ると起こさない様に近付いた。
「…やっぱり目開けて寝てる」
パッチリした大きな目を開けたまま、鼻ちょうちんを膨らませて眠る姿はどこからどう見てもただのチビッコで。可愛らしくてクスリと笑うと、ふっくらした頬に手を伸ばす。
てそう返せば、呆れたようにリボーンは眉を垂らす。
「…俺の睡眠を邪魔すればトラップが発動するぞ」
「あ。そうだった」
すっかり忘れてたと誤魔化し笑いする俺の目前で、よく見れば糸がキラリと光った。
「で、怖い夢でも見たか?」
「うん」
リボーンの問いかけに素直に答えれば、今度はため息を吐かれてしまって、今更情けなくなって目を伏せる。
「…情けねぇのはいつもの事だぞ」
容赦なく降って来る言葉は気にするなという意味だと分かったから、もう一度可愛らしい顔を見上げた。
「ねぇリボーン……一緒に寝てくれないかな?」
お願いしてみれば、子供の顔にやけにシニカルな笑みを浮かべて、彼はトラップを軽やかに飛び越えてくる。
「ダメツナが。しょうがねぇ、特別だぞ」
と、その承諾にいとも簡単に俺は、もう大丈夫だと安心したのだった。
ああ、やっぱり一番の安心をくれるのは、これまでもこれからもずっとお前の存在だよ。
end*
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