短編小説
エゾギク
>「君が笑うから、僕は・・・」
>そう、彼、アスターは呟いた。
>「けれど、僕は受け止めることもできないんだ」
>それも、彼は言った。
>「ただ、僕は・・・」
>そう言って、彼は、悲しそうに笑っていたけれど、彼は、
>もう、戻ってこなかった。
>私はいつも、ただ、そこにいるだけ。
>それ以上も、それ以下でもない。
>彼は、この部屋を出て行った。
>私を、忘れて・・・
>だって、私は、ただのエゾギク。キク科の草花。
>あなたと同じ、『アスター』という名だけれど、私とあなたは、世界が違う。
>けれど、あなたが、笑いかけてくれるのなら、私は、ただ、あなただけに、また、私も笑いかけよう。
>私は、ただのキク科の花。
>いつか、彼が戻ってきてくれるまで、私は・・・。



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あきゅろす。
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