紡ぐ名前4.5


医務室にて物思いに耽る同級生が1人。







彼が死んだと噂になった。
3日程度のお使いから帰ってこない。もう、1週間にもなる。
幼い頃にあれだけいがみ合ったい組とも、学年が上がる度に和解していって今ではすっかり皆仲良くなった。それだけ、人数が減ったという事なのだろうけれど。彼みたいに、帰ってこなくなった生徒は今までにも居た。
ぬるま湯の様に優しいこの学園のもう1つの顔だ。

お使いの先で、何があったのだろう。すっかり自分の居場所となった医務室で薬の整理をしながら、彼の事を思う。願わくば、無事で居て欲しい。けれど。
もし、怪我などしていて動けなくなっていたら。もし、もしも。
嫌な想像は何度もした。
けれどそれは全て想像でしかなく、実際は私は彼に何もしてあげる事が出来ない。同時に彼が帰ってこなくなったと聞いてから地下に籠もりがちになったあの子にも。
何も言ってあげられない。








あきゅろす。
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