気付いた男のはなし



・いざやさんが喋るだけ
・一度はやっておきたい監禁系(?)
・死臭
・薄暗い。










とりあえずチンピラに幾らか握らせて後ろから金属バットで殴った。倒れない。そりゃそうかってなわ訳でもう一度。何度も。
フラフラしだしたからもういけるかもって思って、それからまた数度殴ったらやっと気絶した。全くもって大変だ。
気絶したシズちゃんはぐにゃぐにゃして重かったからさっきのチンピラに手伝わそうとして気付く。あいつシズちゃんに触ってる。
なんだかむかむかする。





ぐにゃぐにゃの体が増えて人手がなくなったから、仕方なくひとりで車まで運んだら汗かいた。しんど。新しくできたぐにゃぐにゃは置いておこう。2人は無理だし。
いつかシズちゃんを乗せようと思って用意してたバンがようやっと役に立つなあ。嬉しいなあ。後部座席にだらだらと体液を垂らして眠るシズちゃんを時々ミラーで確認しながら運転する。鼻歌もでちゃいそう。でた。





どうやったら暴れられないようにできるかなあ?って考えていた。シズちゃんが頑張って逃げようとしたら、俺の頭なんて簡単に握り潰されてしまうだろうし。
薬も考えたんだけど、やめた。だってそんなの使ったらシズちゃんのお肌が荒れちゃいそうだから、なんかやだ。
そんなんじゃなく、どろどろに甘やかしてあげたいから。





悩んで悩んで、俺はシズちゃんの腕に穴を開けた。ちゃんと綺麗に。ぼたぼた落ちる血液をバケツに溜めた。あとで文房具屋さんにいかなくちゃ。




目を覚ましたらどうしようか。愛してあげなくちゃ。なんにも怖くないよって教えてあげなくちゃ。
俺はその為に居るんだよって。頭の悪いシズちゃんの事だから最初はきっと暴れて大変だろうなあ。今は貧血で動けないだろうから大丈夫だけど。さっき買ってきた水糊を傷から入れていくけど、全然入らない。
血の代わりに糊入れたら綺麗に動けなくなりそうなのになあ。ダメかなあ。




ぐにゃぐにゃの体はまだ目を覚まさない。待ってるのに。





仕方ないから先に車洗ってこよう。それまでに起きちゃったらどうしよう。大丈夫だよね?





はやくはやくはやく。
起きたら一緒に食べようと思って用意した晩ご飯から異臭が漂っている。







シズちゃんが死んでいる事に気付いたのは、しばらく経ってからだった。









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