[携帯モード] [URL送信]


下校時刻もとうに過ぎ、生徒会室には2つの影しかなかった。

「右京。秀への思い入れもほどほどにしておきなよ」

「は?なんだよ、今更」

「冬真くん。誤解したみたいだよ」

「あのガキか。誤解したきゃすればいい。それで別れんならこっちとしては願ったり叶ったりだ」

「馬鹿だなぁ。冬真くんがもし別れるって言ったとしても、秀が納得するわけないだろ」

「……秀護さんはあんなののどこがよかったんだ」

「冬真くんは可愛いよ。素直だし純朴だし」

「あんな生意気なガキがか」

「右京は冬真くんのことよく知らないからそんな風に言うんだよ」

「やけにあのガキをかばうな、充」

「ん?ヤキモチ?」

「アホか。今更ヤキモチもクソもあるかよ」

「はは。まぁ確かにね」

するりと伸びた充の手が右京の腕を掴んで引き寄せる。

「帰んねぇのか」

「帰るよ」

充が簡潔に返事をすると同時に、どちらからともなく唇を合わせた。





END.

[*前][次#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!