C
不意にくすぐったさを感じて瞼を震わす。
のろのろと瞼を上げると、そこには見慣れた天井が広がっていた。
「はぇ?」
何で天井?確かベッドサイドにいたはず…
「起きたか?」
「んっ」
頬に何かが這う感触にきゅっと目を瞑る。
「ふっ、可愛いな」
唇に柔らかいモノが押し当てられ、驚いて目を見開く。
ちゅぱっと下唇を吸われて離れてからやっとキスされたのだと気付いた。
「ななな…!」
かぁぁっと赤くなる頬に手が添えられていて、さっきの感触は撫でられていたのだと理解した。
「寝起きを襲うなっ」
眠気もすっかりふっ飛び、目の前の顔を睨む。
「襲うってのはこういうのを言うんだよ」
「わひゃっ」
するりと服の中に忍び込んできた手が肌の上を這い、ビクリと肩が跳ねる。
「ちょっ…わわっ」
「床で寝たら駄目だろ。寝るならベッドに入れ」
「え?ひゃあっ」
ぐにっと指の腹で胸の突起を押し潰され、背筋にビリッと快感が駆け抜ける。
「な…に、じゃあ秀護が、寝てた俺をベッドに寝かせて、くれたのか?ってかいい加減やめろっ」
動き回る手を剥がそうと腕を掴む。
「他に誰がいるんだ」
「あっコラ!つーか熱は?風邪は大丈夫なのか?!」
首筋に顔を埋めてくる秀護の髪を引っぱる。
1度首筋に強く吸いついて、ゆっくり顔を上げた。
「下がった。ほらな」
コツンと額を合わされて、ドキンと鼓動が跳ねる。
確かに額から伝わる熱はそんなに熱くはない。
「冬真の頬の方が熱いかもな」
両手で頬を挟まれて、更に顔に熱が集まる。
「バ、バカッ離れろっ」
「風邪移すわけにはいかねぇからしねぇよ」
「そういう問題じゃねぇっ」
暴れる俺を笑いながらいなしてじゃれついてくる秀護。
まぁ元気になってよかったって思っとくかな。
END.
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