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Honey Days


「ふぁぁ…」

「冬真、眠いの?」

「ん?あぁ、うん。ちょっと」

広い講堂の一角。
映画館のようなふかふかな椅子に座り、あくびをすると、隣に座る悠に声をかけられた。

今は終業式の真っ只中。
校長の長い話の最中だった。

「ぅ〜、少し寝る…」

ぐたりと背もたれにもたれかかり、目を閉じる。
悠は隣で苦笑していた。
ちなみに涼也は俺の隣ですっかり寝入っている。朝練で朝が早かったから、というのが涼也の言い分。

俺はというと、昨日秀護のバカに好き放題され疲れきり、いつもと同じようにちゃんと寝たはずなのに寝足りなかった。

目を瞑ればすぐに睡魔はやってきて、夢の世界へ片足を突っ込んでいたその時。

「きゃーーーっっ!!」

「わわっ!なに?!」

大音量の悲鳴に引き戻された。

キョロキョロと辺りを見回すと、身を乗り出している生徒があちこちにいる。

「なに?!」

「生徒会の話だよ」

再び口にした疑問には隣から答えが返ってきた。
顔を向ければ、悠も少し背筋を伸ばして前を窺っていた。

「う〜、うるせぇ…もう生徒会か?」

逆隣からの寝ぼけ声に顔を向ければ、涼也が顔をしかめて目をこすっていた。

「らしいよ。俺も起こされた」

苦笑して涼也に返す。

『静粛に』

マイクを通した静かな声に辺りが一瞬にして静まる。

おぉ、すげぇな。

前の舞台へ視線を向ける。

あ、会長だ。

舞台中央に立つ会長が注意事項なんかを話し出すと、さっきの校長の話とは打って変わってみんな真剣に聞いていて、ひくりと口端が引きつった。

校長、可哀想に…
まぁでも静かだし寝直そう。

ぽすりと背中を背もたれへ預け、目を閉じる。
今度も睡魔はすぐにやってきて、今度こそ夢の世界へ旅立てた。




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あきゅろす。
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