Honey Days 2* 「ったく」 走って行ってしまった冬真を見送り、俺は充と2人ゆっくり向かう事にする。 「あんなに急がなくてもいいのに」 横ではクスクスと充が笑っている。 「あいつはアレでいいんだ」 「ま、そうかもね」 あいつはアレでいい。あのままが可愛いのだ。 「それより、冬真くんにあの話した?」 「…いや、してない」 「えっいいの?びっくりするんじゃない?」 「するだろうな。でも俺の話もしてないから仕方ない」 「えぇっ、いいの?!」 驚いた顔で充がこちらを見てくるが、そこは見ないフリだ。 俺だって好きで黙ってるわけじゃない。だけど、知られたくないという気持ちもある。 「まぁどうせ始業式で全部わかるしね」 そう。全部、始業式でわかってしまう。 その後の冬真の反応を見るしかない。 「行くぞ、明野」 「はい、秀護様」 俺達はエレベーターを降りて校舎に向かった。 [*前][次#] [戻る] |