Honey Days 12 「…充?」 「は?会長?」 何で会長が俺に電話を? 怪訝な顔をしていると、秀護が携帯に出た。 「あ!」 「冬真に何の用だ」 こいつ、人の携帯に勝手に出やがったよ…。まぁ相手が会長なら別にいいけどさ。でも礼儀とかさ。…秀護に礼儀を求めるのも無理なのかなぁ… 「あ?知るか。…あぁ…チッ、わかった。持ってこい」 不機嫌そうに通話を終えると携帯をテーブルに置き、俺を膝に抱き上げる。 「おいコラっ」 「充がこれから来るってよ」 「あーそうですか。それなら降ろしてくれないかな」 秀護の顔に手を突っ張り、ギリギリまで離れながら言っても秀護にはどこ吹く風。抵抗などものともせず抱き寄せられて。 「会長が来るんだろっ」 「あぁ。だから来るまでだ」 「…来たら降ろすな?」 「あぁ」 じとっと半眼で見つめると、ぎゅむっと抱きしめられる。苦しくはないが、動く事ができない力で。 こいつ、実は甘えん坊なのか?隙あらばひっついてくるし。 秀護の肩に顎を乗せながらそんな事をつらつらと考えていると、インターホンが鳴り響いた。 「ほら、会長来たから降ろせ」 もそもそと秀護の膝からソファへ移る。 若干不機嫌そうだが、こっちとしてはそんな事に構っていられない。 ソファに座り直すと秀護は立ち上がり、玄関へ向かった。 俺はその間に1人掛けのソファに移る。 ここならさすがに会長の前でひっついてこないだろうと考えて、だ。 [*前][次#] [戻る] |