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中人日乱
1.


※中人日番谷と乱菊で、痛々しいばかりの超・駄文。隊長がある意味偏執狂と化しているので、広い心を持ってご覧頂ける方のみどうぞ。


松本、は。
元々美しい女であったが、ここ最近はその美貌にますます磨きがかかったように思われる。
男の目を惹く艶やかな微笑、匂い立つ女の色香に時折俺は、否応無しに目を逸らさずにはいられない。
傍らの女が。
向けられる笑顔が。
余りに眩しく感じられて…。





「どうかしましたか、たいちょ?」

小首を傾げて問うた女は、色香こそ今は纏っちゃいないが、そのあどけない仕種に、無防備に見上げる眼差しに、やはり心は乱される。
「あー!だからって、『何でもない』とか今更嘘仰るのは無しですからねっ!」
前以って釘を刺されて、ますます俺は口を閉ざす。
覗き込む瞳、二の腕に触れる指先の熱が、やけにこそばゆく感じて目を逸らした。
「…ったあいちょー」
だが、どうやらそれが気に障ったらしい。
ぶうと剥れた松本は、えい!とばかりに抱き着いてきた。
途端、やわらかな胸元に捕われる。
全身ごと、甘い女の香りに包まれる。
「ちょっ…離せ、バカ!」
咄嗟身を捩りはしたものの、逃げ出すことは適わなかった。
ふくよかで温かな女の胸に鼻先を埋めて、仕方ない…抗うことをあっさり俺は放棄した。
「あら、大人しい」
「抵抗するだけ無駄だろ、どうせ」
ならいっそ開き直って身を委ねるだけだとばかりに女の薄い背中に腕を廻せば、うふふと小さく女がわらった。
そうして押し当てられる。くちびるを。
されるがままに、額に。瞼に。くちびるに。
「かわい」
「それは余計だ」
ぶっすりと釘刺す俺へとまた笑って、今度は自分より幾分小さな俺の腕へと身体を預ける。
委ねられた大きなからだを受け止めながら、金色の髪を指で梳く。
指で梳くたびに、松本がわらう。
クスクスと。
わらうたびに色を増す。
ふうわりと、再び色香を纏ってわらう。
大人のおんなの顔をして。
こんな時、何時だって俺は松本を酷く遠くに感じてしまう。
…まるで知らないおんなのようだ、と。










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