お恥ずかしながら。
ねえ先生!5裏
"考察"
先生は、私がゲームで先生に近づいたって事を知っていた。
なんでだろう。
あれは私だけの秘密の遊びだったのに。
…あんなに詳しく当てられてしまうなんて。
(兎とか捕るとか……)
私はまだ物足りながる身体を無視して、教室へと帰った。
――――――――……
ボールペンを指の間に挟んで、空間を斬る。
雲雀先生が数学を教える時のクセ。
そのボールペンに従って、生徒たちはキビキビとノートにメモをとる。
…まるで、タクトみたい、だなんて私にしては随分と馬鹿けた事を思った。
でも、このままだったら引き下がれない。
やられるだけやられて、本番も無しに教室に帰れだなんて。
おかしすぎる。
私に魅力が足りないのなら、私は魅力を磨くから。
…授業の内容なんて頭に入らないまま、私は放課後を迎えた。
―雲雀先生と、対決するために…―
―――――――――…
「…やぁ、君か。」
彼はさも可笑しそうな顔で私を迎える。
不愉快さを感じざるをえないような嫌な笑み。
「…分からない所が、あるんです。」
眉を寄せつつ、まてまて、今は抑えろと自分に言い聞かせて、先生にニッコリ微笑んだ。
「ふぅん。君、なかなか成績いいのにね。」
片肘をついて、まるで探るかのような…なんでもお見通しと言わんばかりの視線を私に投げる。
不愉快極まりない。
「理解を深めようかと思いまして。」
教科書の18ページを開き、ここなんですと指さした。
「…ほんとに、勉強?」
二人きりの数学準備室に、先生のからかうような言葉が響いた。
勉強や授業のときにしか付けない黒渕メガネを、黒いメガネケースに入れる。
…まるでそれじゃあ、今からはメガネを使わなくてもいいかのようだ。
「…えぇ、もちろん勉強ですよ」
私は嘘をつく。
…素知らぬ顔をして。
本当は勉強を教えてもらううちに親睦を深めようと思ったのだけど。
この前は予鈴が鳴ってしまい、時間がなかった。
…時刻は4時すぎ。
時間は、たっぷりある。
「ここ、です。」
3の0乗がまだよく分からなくて。
適当に簡単そうなところを指した。
彼は、微かに眉を潜める。
(ああきっと、なんで君がこんな簡単なとこを?、って思ってんだろうなぁ。)
しかしその予想ははるかに越え、
「御託はいいよ。…君は、イケナイ生徒みたいだからね。」
先生は頬杖をとらないまま、私の手から教科書をさらっていった。
バサッと遠くに投げられた私の教科書。
「ちょ、先生…」
台本と違うではないか。
なぜ、そこで勝手な行動をするんだ。
座ったまま、私の手を素早く引っ張り、デスクに強制的に座らせる。
「気持ちよくなりたいんでしょ、…ちがう?」
「違います…っ」
私は先生から目をそらした。
…おかしい。
今までの人はみんな、こんなこと、しなかったのに。
先生は笑う。
「こんなの、予想してなかった、って顔だね」
ニヤニヤしながら、私のブラウスに手を掛ける。
「残念だけど、僕はそこらの下劣な男とは違う。」
生徒の息抜きまで面倒を見てあげる、実に優秀な教師だ。
だって。
第一ボタンを外されたところで、ハッした。
あぶない。流される。
「や、やめてください!」
私は先生の手を振り払った。デスクから降りて、一刻も早くここから逃げなくては。
これ以上、ここにいるのは危険だ。
もう一度、台本を立て直そう。
ドアに手をかけた。
―ガチッ、!
「…!?」
か、鍵が、…開かない?
「な、な…」
「まさか僕が、せっかく見つけた獲物に鎖を付けないと思った?」
驚いて愕然とする私の腕をまた引いて、デスクに戻された。
残念だね、鍵は外からしか開けれないよ。…僕の持ってるコレを除いてね。
先生はチャリン、と胸ポケットから鍵を見せて、またすぐに仕舞う。
「大丈夫、時間はたっぷりあるから。」
先生はまたおかしそうに口元を歪めて、はだけかけたブラウスの第二ボタンへ手を伸ばした。
――――――――……
「これ、この間生徒から没収したやつなんだけど。」
よかったら使ってみようか?
いかがわしいピンク色の、卵形をした何か。
「、それ…は…、」
まさか。
「何ていうの?ローター、だっけ?」
知ってて言ってるのか本当に知らないのか。
先生はその卵形のローターとそれから出た長めのひもをちらつかせる。
私に、どういう解答を望んでいるというのか。
使うと言えば先生のいう「イケナイ生徒」確定だし、使わないと言ったら先生は「ウソつき使いたいんでしょ」って無理矢理やると思う。
この場から逃げようものなら後でどんな目にあうか。
…どちらにしろ待っているのは破滅。Aに行ったら悪魔、Bに行ったら閻魔だ。どっちもお相子に御免蒙りたい。
「…さぁ、どうする?」
僕はあまり気が長くないからね。いつまでも答えないようなら、息抜きの次元を超えちゃうよ。
雲雀先生がニヤと意味ありげに笑った。
「…大丈夫、すぐ慣れるから。」
「え、ま、待って…!」
先生はいつまでも返事をしない私に焦れたように、首元に唇を寄せる。
熱い吐息が耳の近くに掛かって、男の人っぽい爽やかな匂いが鼻腔を掠めた。
男の子、じゃなくて男の人。今まで何度も年上と恋愛をしたことがあるけれど、雲雀先生のような大人は相手にしたことがない。
「ひ…っ、」
生暖かい舌がベロリと耳たぶを這って、先生の長い指が首筋を撫でる。
ただ気持ちイイだけのそれと違って、気分まで…心まで煽るかのような。
ドクドクと、心臓と下腹部が震えるのが分かる。
「…ぁ、ぁ…、っ」
耳から首、首から胸元。
先生の舌が巧妙に私の感じるトコロを舐めとって、それが恥ずかしくて弱々しく彼の胸板を押し返す。
「……邪魔だよ、」
先生は苛立たしげに私の手をまとめて、後ろにやる。
…ネクタイで縛ったりしないところが、先生らしいというか大人というか。
やっぱり、先生と生徒なんだなと思ってしまう。
「ふ……ゃ、ぁ…」
胸をやんわりと掴まれて、ついついもどかしさに甘い声が洩れてしまう。
あぁもっとちゃんと触ってほしいのに。
もっと、強い刺激がほしいのに。
「ん…っん、」
わざと声を抑える。
誰かが、資料室の前を通るような足音が聞こえたからである。
ここで、ばれるわけにはいかないんだ。
「…誰もこの部屋には入らないよ。」
私が心配したことを全て見通したみたいに、雲雀先生が言った。
鍵掛かってるし、それに…
君との気持ちイイ時間を、邪魔されたくないだろう?
唇が耳に当たるくらい近くで、彼の低音な声がダイレクトに流し込まれた。
嫌なくらいに心臓がバクバクいってる。
先生の唇の熱さとか息遣いとかあまりにいやらしすぎる声色とか。
じゅんってなる。
…自分でも分かるくらい、興奮してる。
「せん…せぇ…っ」
ブラウスの上から乳首を探り当てられて、軽く押し潰される。
じんわりとくすぐったいような感覚が背中に走った。
「ん…いいかな。」
下着に手を掛けられる。
抵抗するという選択肢なんて、もうなくなってしまった。
「いれるよ…?」
とろとろに溶けた膣に、ちゅるんとバイブが入れられる。
ゾクゾクと這い上がる快楽に声が我慢できない。
「ぁ…ッ、は…っ」
自然と声が洩れてしまうなんていつ以来だろう。
こんなにも素直に快感を感じるのは初めてじゃないだろうか。
かち、
私の膣から伸びたピンクのコードに繋がれたリモコンが、彼の手の中でオンにされる。
小さくゆっくり、なかの異物が震動を始めた。
「ん…く、はぁん…、」
もどかしいもどかしい。
ローターは私の膣内でプルプル…程度にしか振動を与えてはくれず、入り口付近だけしか刺激がない。
もっと奥に欲しい…、そうは思っていても、女の子から男を求めるなんてはしたないにも程がある。
プライドと、残った少しの理性と。
私は必死でその少ない刺激でどうにか上り詰めようとしていた。
「だめだよ、ちゃんと口で言わないと。」
「ぁ…っん、あ…っ」
そう意地悪に呟いて、ローターの振動数を上げる先生。さっきよりも強い快感が、下から胸に這い上がってくる。
「ひ、ゃ…っぁあ…っ」
「ほら、早くどうして欲しいか言わないと、いつまでもこのままにするよ?」
「ゃ…や…だぁ…っ」
力が入らなくてだらしなく開かれた脚の間に、先生の手が伸びる。敏感な上の突起をぐりぐりと中指で押し潰され、羞恥やら快感やらでビクビクと背中が震える。
潤んで惚けた瞳で先生を見つめれば、彼もまた幾分いつもより濡れた瞳で私を見つめ返す。
もう、もう…。
もう我慢出来ない…。
「先生ぇ…、も、だめ…」
「なに?言わなきゃ分からないよ。」
意地悪にもローターのレベルがもう一つ上がり、私は情けない声をあげてしまう。でも足りない…。
先生、全然足りないよ。
「も…イ、かせてぇ…っ」
「…」
とうとう、言ってしまった。自分から先生を求めてしまった。今までなら誰もが我慢出来ずにしてしまうのに。…私が我慢できなかったことなんて、一度もなかったのに。
「いいよ、お望みどおりにしてあげる…。」
先生の満足げな顔が見えた瞬間に、胸の突起を弄っていた手が下りて、ローターがぐりっと奥まで押し込まれた。
「ひぁ…ッ!?ふぁっ、嘘…っ!」
「さぁ、存分にイって…」
私の膣内の異物が震えだして、今まで我慢していた快感の波が込み上げてくるのがわかった。
快感と切ない胸の痛みは、もしかしたら同じなのかもと、ぼんやり感じた。
「ふぁっ、ああぁ…っ!」
また、先生に、イかされてしまった…。
「君の感じてる顔って、すごくやらしいね。」
クツクツと押し殺したようなあの嫌な笑い方をしながら、雲雀先生が言う。
ローターの紐を引っ張られて、私のなかからコプッと抜き取られた。
「ああ、こんなにしてしまって…。見てよ、君の体液で没収品がどろどろ。」
「…っ、いや…」
「いや、じゃないよ。僕にこんなことされて、気持ちよかったんでしょ。」
先生はその体液まみれのローターを、胸ポケットのハンカチで拭ってまた戻す。
…私のが着いちゃってるのに…。一瞬それに躊躇って、先生を呼ぼうとした時。
[…雲雀先生、雲雀先生、至急、応接室まで来て下さい。]
「…」
「あーあ、呼ばれちゃった。時間はいっぱいあったのにね。」
残念そうに眉を寄せて、でも楽しげに彼は言った。
待って、と制止を掛けるより先に、先生は部屋を出て行ってしまう。
「…楽しかったよ。次は、もっと楽しもう。」
「せんせ…っ、」
ガチャン。と、世界と私が遮断された。
あぁ、また。
また、私だけ残して…。
「…雲雀、先生…」
確実に彼の存在は、大きくなりつつあった。
――――――――――……
次って、いつ?
continue…
久々に更新。
駄文で申し訳ない。
ではまた次回!
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