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年下やら年上やら
隣のおチビさん

"謎のおチビさん"





僕と、隣のおチビさんは、

…実に奇妙な出会い方をしている。


それは僕だけの事かも知れないけど。



―――――――…


「…痛」

ちょっと、暴れ過ぎたかな?

咬み殺された無数の残骸に、フンと鼻を鳴らす。


指の先にちいさく切り傷が出来ている以外に、僕の血が出ているところはない。


あとは大体、返り血というやつか。


切り傷って、意外とヒリヒリして痛いんだよね。
なんかこう…治るまで妙に意識してしまうというか…。


そんなことを考えていたら、目の前に絆創膏が差し出されていた。

「…あ、これ…」

モジモジと少女がうつむいている。
どうやらソレを使えという事らしい。

…ピンクのクマさん絆創膏を?


「つ、かって……」

やっぱり使えってことか。


「ありがと…。(え)!?」

絆創膏を受け取ったあと、彼女の容姿をみてびっくりした。声が出ないくらい。


…まだ、小学生なんじゃないの、と言いたくなるような幼い顔立ちと――…



―なに、これ。


彼女の背中に、羽根が生えていた。


…羽根が。


なんだ、これ?


彼女の背中におかしな物が見えるんだけど…

初めて見たよ、こんな生き物。

幻覚?

僕は絆創膏を張りながら、懸命に彼女の羽根について考えた。


―その現象は、
世間一般では別な名称で呼ばれているのだが…

ソレハナニカトタズネタラ………

パトスの問題だな。

風紀一筋・咬み殺す一直線な時代を送ってきた雲雀くんの場合、エトスの方向性にも少し問題があって

ジャンルによっては情報量の偏りが見られるゆえのニルアドミラリ……――


―――――――……

次の日、僕はその事をよく忘れられもしないうちに登校しようと玄関を出た。


「あ…」

昨日の少女だ。

なんと隣の家の。

(…やっぱり見える……。白くボンヤリと輝く…は、羽のようなものが…)


朝は通勤途中のサラリーマンが多い。

ときたまこちらをチラッと見ていく(ムカつく、咬み殺そうか)サラリーマンもいるのに。

…誰も気付かないの?
もしかして僕だけ?


―そういえば先日、隣に小学6年生の子がいるって知ったんだった。

町の秩序を守る僕としては、住民の管理もしないといけないんだけど……

ついつい僕の周りの事となると油断してしまう。

灯台元暗しって、ちょっと違うかな。――――


よく考えればクマさんの絆創膏なんて小学生用アイテムだし。(なんか僕、動揺してない?)

…見るからに、小さかったしね。(…だからなんで動揺する?)


―――――――…

…お隣さんの背中には羽根が生えてる。

僕はとにかく、まず草壁に話そうと思った。
(バカにしたら即刻咬み殺してやろう)



――――――――…

全身血だらけだった僕の、ほんの小さな怪我を見つけてくれた隣の人。




continue…

え?

なんでヒロインが天使みたいになっちゃってんのって?

こっちが聞きたいですよ、なんかインパクトが欲しかったんです。

ね、ちょっとファンシーになっていきますよ、段々と(笑)

ではまた次回!

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あきゅろす。
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