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年下やら年上やら
年下の僕は、年上の君と

"君は並中、私は並高"



「きょーんっ!」

私は今日も、元気溌剌!




放課後、授業が終われば部活する間もなく自転車に乗る。
(あの事件以来、私は部活なんて幽霊部員だもんね!)


ペダルをぬんぬんと踏み込み踏み込み…大急ぎで並盛中学へと向かった。

(並中は並高のおとなりさんなの!)


―…全力疾走。

「つ、ついたぁーっ!」

高校生の私は、中学校の校内ではちぃと目立つけど。

そんなこと、構いやしないよ!

恋する乙女に、障害物なんて無いのだ!



「きょーんっ!」

私は今日も、彼の名を呼ぶ。

「うるさい。あなた、並中生じゃないでしょ」

彼は今日も、私に冷たいのです…っ!(泣)




「きょん!いいじゃないかね、同じ並盛だろぃ?」

ニヤニヤと近づいてくる私に、精神的な危険を感じたのだろう。
彼はためらうことなくトンファーを装備する。


「部屋に入ってこないで。虫酸が走るよ」

「…!?ひ、ヒドイよきょん!」


あなたから伝染された恋の病は、未だその炎の勢いを弱めることなく燃え上がっているというのに!

ああ、あなたはどうして雲雀なの!
私たちはさながら、願っても届かないロミオとジュリエットの如く…っ!

「気持ちわるい回想しないで。僕がいつ、あなたに病をうつしたの」

「えっ!それすら覚えてないの!」

「?」

「あれは、私が中学生になったばかりの頃…」

「ああ、もういい。出ていって」


私と彼の思い出を話そうとしたら、きょんが嫌そうな顔をして手を払った。(まるで猫を追い払うみたいにシッシッて!)


「きょんヒドイー!」

「きょんって誰」

「ひばきょんに決まってるじゃん!」

「…咬み殺す」


彼は相当な低血圧の模様…。
そういえば、応接室に入ってきたとき、きょん寝てたなぁ……なんて思っていたら、ぐぃっ、手を思いっ切り引っ張られて、私はソファーに倒された。


首にはヒヤッとした金属物の感触…。


「きょんって言うの、やめてくれる?」


きょんが、その端正な顔を近付けてくる。

目が真剣だから、きっと本気で怒ってるんだろうけど…

「きょんがこんなに近くにいてくれるなら幸せ…」


なにやらしんみりと幸せを感じてしまう私は、やっぱり恋の病なんだわ!


「はぁ、あなた、本当におかしな人だね」

あまりに危機感を感じていない私に呆れたのか、きょんは私の首からトンファーを取り除いてくれた。


「ね、きょん!私、もう帰らなきゃ……」

さっきまでの(咬み殺されかけた)事なんてすっかり忘れて、私はしゅぅんと帰宅の準備を始める。

「あそ。成るだけ早く出ていってよ」

「うん…、だから、ね! ちゅうしよう!」

「……なに?」



とっても不審な目で見られた。(ああ、きれいな顔なのに台無し!)


「一回だけっ!ね?」

ちょっと強引に肩をつかめば、むすぅっとした顔でこっちを向くきょん。
(こういうのは普通、男の子からのはずなんだけど)

それでも、やっぱり背がたかいきょんには、見下ろされるような感じがしてちょっとドキドキ…。

「んー」

と顔を近付けていたら、ピトッ、なにかが唇に触れる。

「ん…?」

目を開けて確認するとそれは……、


「次、同じような事やったら咬み殺す……」

唇に触れたトンファーと、目がマジなきょんだった。



「うー…いいじゃん、一回くらい減らないのに!」

「まさか。僕は好きな人以外と、そんなことしない」

まぁ、僕にそんな人が出来るわけないだろうけど。

そう付け足したきょんは、やっぱり真面目で真っすぐな…

「かっこいー…」


「…うるさいよ」



ちょっぴり照れてたきょんは、昔と変わらず可愛いまま!




continue…
はい、日常編?ですかね。

なんかすべてに微妙…
甘くもなく辛くもなく…
かといって苦くもなく?
ん、なんかしょっぱい感じじゃないすかね……

経営主の文章はしょっぱいです!ご注意ください!(おそいよ)

ではまた次回!

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あきゅろす。
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