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年下やら年上やら
年下の僕は、年上の君と

"私は14、君は10!?"


私がまだ、中学生になったばかりの頃。

私は小学生に助けられた。

しかも4年生の…美少年に。



―――――…

「い、いや…っ」

「大丈夫だって、大人しくしてりゃ痛くねぇから!」

放課後、始めて間もない部活に頑張りすぎて、帰宅がすっかり遅くなってしまった。

「離してっ、いやぁっ」

「っ、うっせぇな!黙ってろ!」

だからこんな、アホ丸出しのチンピラなんかに絡まれてしまうんだ…―


乱暴にチンピラが、私の体をまさぐる。気持ちが悪くて死にそうだ。

「も…、やぁっ…!」

悲鳴も助けも呼べずに、大人数の若者の舐めるような視線を感じる。
気持ちわるいというより、それはもうキモイに近い。

チンピラの手が、私のスカートに掛かったとき、―


「君たち、何の群れ?」


その勇敢な少年は現れた。

いや少年、と呼ぶにもまだ遠い、子供が。


「あンだ?てめぇ、ブッ殺されてぇのか糞ガキ!」

4人のチンピラは、まだチンピラなんて言葉も知らないような小さな子供に向かって、すごい暴言を吐く。

なんて汚い言葉を使うんだ、このチンピラはっ!
相手はまだ、ちっちゃい子だぞ!


そう思っていた矢先、
―シュンッと風の切れる音がしたと思ったら、

…ドサッ!

なんと、一人目が倒れていた。


「え…?」

何が起こったのだ と、私を囲んでいる二人の間から必死に状況を確認する。


少年が持っているのは鈍器…だろうか?
見たことはあるが、咄嗟に名前が出てこない。


「な…っ!てめぇ、糞ガキがっ!何しやがるッ!」

私を押さえていた二人もその少年を囲みはじめて、私は一層よく状況が見えるようになった。

(―その時にもう、私は逃げれたはずなんだけど)

「大丈夫、ちゃんと全員咬み殺してあげるよ」


ニヤリとも、クスリとも、つかないような妖しい笑みを浮かべて、その子供は手に構えた鈍器をしゅるんっと回した。


しかし、まぁ相手の人数が悪かったのか。

二人目を難なく伸し、三人目と戦っている(といっても一方的に殴っている)ときに、四人目は襲ってきた。

うしろから鉄パイプを握り、幼い少年の(真っ黒で柔らかそうな)頭に、一気に振り下ろす。


―ドゴッ…



鈍い音がして、四人目のチンピラも倒れた。

三人目を倒したあと、驚いたように目を開いて振り返る少年。


「はぁ…っはぁ…」

そこにあるのは、黒のボストンバックを脳天から食らって伸びたチンピラ(四人目)と、それをやった私。

(私は清く正しい中学生であるから、カバンの中には水筒から辞書から教科書類まで全てそろっているからね)

チンピラ(四人目)は、相当痛かったと見える。

口から泡が……、汚いな、このチンピラはカニか?


そんな事を考えつつ、冷静に警察けいさつ…と携帯を取り出す私に、制止をかけたのはその少年であった。

「ねぇきみ、だれ?」


たどたどしい口調で尋ねてきた彼をよくみれば、なんと並盛小学校の制服ではないか。(黒のセーラーに、黒の短パンだ。)

「え、えと…、並盛中学の田中 ちとせ、ですが…」

なんとなく敬語になってしまったけど、まぁそんなのはどうでもイイ。

まずは、お礼だ。


「あ、…ありがとね!助けてくれて…」

「ん、ああ。別に、秩序がみだされるの、キライなんだ」


秩序、なんて難しい言葉、よく知ってるなぁ…、と感心しつつ、少年の事もさり気なく聞いてみる。


「ところで君、すっごく強かったけど、名前なんていうの?」


「……ひばりきょうや」


強かった、という言葉にすこし照れた様子の彼の一言に、こちらは固まった。

―…ひばり、きょうや?


「え゙!ひ、雲雀恭弥?」

あの雲雀恭弥!?

数年前から、気に入らないやつは容赦なく「咬み殺す」と言われるアノ雲雀が、

「なに、わるい?」

ひぃっ、あからさまに不機嫌…っ!


「ご、ご勘弁!咬み殺さないでぇ!」


その一言に彼の細くて綺麗な眉が、ぐぅっと寄せられる。(ヤバイヤバイ!これ、確実に殺られるっ!)


ずぃっ、と寄ってきた雲雀恭弥の顔に、思わず情けない悲鳴をあげそうになったとき。

「ぼくは、秩序をみだすヤツ以外、咬み殺したりしない」


真剣で真っすぐな瞳。
強い正義感に、思うことなく

「かっこぃい……」

そう洩らしていた。


―――――…

刻は流れ、現在。

私は立派な高校三年生になっていた。


彼を想う気持ちは今も変わらずココにある。


私は絶対に彼に会う!

今こそ、
ボーイズ ビー アンビシャス!

少女だって、大志を抱くのだ!!




continue…

はぃぃ…やっとできました……。
死にかけてます経営主です。

匿名様よりいただきましたアイディア、雲雀の年上らぶ!

さぁ、ガンガン続けたいですね!
性質上、どうも短編というのは苦手です(ノд<。)゜。(ばか、長編も苦手だろ)

ではまた次回!

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あきゅろす。
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