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ファンタの味
第8話








あれから幾日が過ぎた
リョーマも桃城もただ過ぎてゆく日々に身を任せ過ごしているだけ

本当は互いを求めているのに
どちらも動こうとはせず


擦れ違って


擦れ違って


擦れ違っていくだけ


無論部活に来ないリョーマ、来るがどこかイライラを抑えきれてない桃城をみるもの達は2人の間に何かが起こった事はいやでも察してしまい、直接リョーマに聞いた手塚も何をする訳でもなくただ黙っていた

それは何故?

本当は自分もリョーマが好きだから?
それともこれは2人の問題であって自分が口を出すモノではないから?

答えのでぬ問いに手塚はため息すらもでてきはしなかった







そんな中、運命は訪れた










「おい、越前」

「なんスか?」


放課後
休部中のリョーマは鞄を手に持ち帰ろうとしたが担任の堂(ドウ)に呼び止められた

正直…うざったい


「いや、これを第2資料室に運んでほしくてな…」

「…メンド」

「どうせ暇だろ?」

「………わかったっス」


渋々山積みになった資料を手に持つと教室を出ていく



にしても何故担任は自分が今暇だと知っているのだろうか……

目のあたりまで積みあがっている資料の山をボケーと見ながら考える



あながち堀尾らへんが喋っているのを聞いたんだろう…



答えは呆気なくでてきた







リョーマそんな下らない事を暫く考えながら歩いていたせいか前方にいた人影に気付かなかった

そして見事に





ドンッ


バサァー





リョーマは手持ちの資料と共に地に腰をおろすハメになった。
ぶつかった人がまだ立っているという事から考えるに自分よりも体格のいいやつだろう


「すみません」


自分の情けなさに相手の顔をみることもせずにあやまるとバラ撒いてしまった資料を拾い集める

けれど相手は去る様子はもなく…
けれども手伝う様子もない
そんな相手に少し苛立ちを感じ顔をあげる。

リョーマの、目に映ったのは…


「桃…先輩……」


喧嘩して、それ以来顔を合わせる事のなかった相手桃城武だった

リョーマは一瞬にして面を強張らせる
桃城はフツフツと怒りが沸いてくる
今にも一触即発しそうな雰囲気の二人は動くことはせずただ相手の様子を伺う



先に痺れを切らしたのは桃城だった
座り込んだままのリョーマに沸き上がる怒りを抑え口をひらく


「お前…部活やすんだ日屋上で部長に抱きしめられてたよな」

「っ!?」


リョーマの目が見開く

確かに自分は抱きしめられた
けれどその時その場には誰もいなかったはず…


「なんで…知ってんの?」


リョーマの返答にあの時の感情が蘇った





殴りてぇ


殴って、『お前は遊びだったとしても俺は本気だった』と伝えたい…





思うが早いが桃城はリョーマの胸倉を掴みあげると握りしめた拳をリョーマの頬に殴り付ける

リョーマは何も言わない…いや、何もいえなかった
あの時のように桃城が恐くて……


「お前、部長が本命なんだろ!?」

「………」

「だから部長には抵抗しねーんだろ!?」

「………」

「お前は遊びだったとしても、俺はお前に対してずっと本気だったんだよ!!」


ポタ


桃城の瞳から涙が溢れ出した。好きなのに相手は遊びで
他に好きな人がいて……
悔しくて
悔しくて…
もういちどリョーマの頬を殴ると桃城は手を離し去っていく


『部長と…幸せになれよ…』


そんな一言を残して……



後書き


ちょっ、リョーマじゃなくて桃ちんが泣いた!
驚きがかくせねぇのはこっちだよ!!!

ここからおもいっきり最終回に向かっていきます…たぶん


次回はいよいよリョーマが〇〇ます!


そこは夢小説を書いていたときからやりたいとおもってたシーンなので楽しみにしていてください



08/04/05

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