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ファンタの味
番外編1(桜の香り)





フワッ




桜が風に吹かれて宙を舞った
それはいわゆる桜吹雪というもので
とても幻想的で美しい…
それを見たものはだれもがそう思った筈だろう

偶然その場を自転車で通った青年もそう思い
ひかれるようにその桜がある公園内に入っていく
なかは公園の外よりも桜吹雪が綺麗で…
思わず見とれてしまった。


フワフワ


フワフワ…


地につこうとすればまた風に煽られて宙を舞う
只それの繰り返し………


フワフワ


フワフワ…


もっと桜吹雪を堪能したい
青年―桃城武はそう思うと自転車から降り公園の奥へと足を進める


ぶわぁっ


その瞬間大きな風が吹いた
その風に桜に紛れて砂も舞う
桃城は反射的に腕を目の前にかざし目を瞑った――…刹那、


「うわっ!」


女の子のような…少し高めの声が聞こえてきた
思わず目を開いて周りを見渡せばそこに


― …小さい


小学生位…だろうか
小さい背丈に黒く…少し緑色が混ざったような髪の毛の少年が立っていた
先程の声は多分一瞬の強い風に対してだろう

フと、少年が桃城の方を向いた


ドクン…


何故だろうか
桃城は胸が高鳴った
今初めて見た…しかも少年なのに…

これがいわゆる初恋…というものなのだろうか…


「ねぇ」


「うわっ!」


いつの間にか少年は自分の目の前に訪れていて
顔を見上げて自分を眺めていた

正直…可愛い


「なんだ?」

「あんたもテニス…やんの?」


少年は桃城の自転車のところに置いてあるテニスバッグを指差す
よく見れば少年の肩には大きなテニスバッグがかかっていて可愛い・好き…そんな気持ちよりも同じテニス好きなんだ…という好奇心が上回った


「勿論、俺強いぜ」

「それは楽しみ…」


少年は微笑むと去っていった


RYOMA.E


桃城は少年が去っていく直前にのカバンにそう名前がかかれているのを見た


「リョーマ…か。」





桜が舞う季節


俺たちは初めてであった


そのときは勿論


こんな関係におちいるなんて


思いはしなかった…




END



後書き



テニプリ再放送開始記念小説であり【ファンタの味】初の番外編です。


アニメ1・2話以前でリョーマと桃城の出会いのお話です。


二人はきっと出会ってたと思うんですよね
学校で会う以前に…




軽く加筆修正を加えて
短編から移動しました


08/04/03
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あきゅろす。
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