10万筆頭お礼小説:携帯獣+αと逝く
傍から見るとえらい滑稽。
視線の先にはピンク色の丸いポケモン───ムンナを蹴り上げる白頭巾の二人組と、それを止めようとする少年少女。
「ビンゴ」
「さっさと終わらせて次行くぞ」
「へーい」
白頭巾達───プラズマ団はあれやこれや屁理屈を並べながら彼等に襲い掛からんとしている。
如何にも荒事の経験がなさそうな少女────おそらくベルが悲鳴を上げた。
「えええ!助けてトウヤぁ!」
「はいストーップ」
「「「「!?」」」」
この場に乱入する者がいるなんて思ってもいなかったのだろう、驚愕に歪んだ四対の目が勢いよくこちらに向けられた。
「いたいけな少年少女とポケモンを虐めるなんて大人の風上にも置けねーよってことで通行人Aです」
「同じく通行人Bだ。とっとと失せろ屑共」
お、この男にしては珍しくノリがいいな。
「何だ貴様ら!邪魔するなら容赦しないぞ!」
「はいはいテンプレ乙テンプレ乙。さっくり片付けようk……て三蔵、何悠長に煙草なんぞ吸ってる」
見れば如何にもやる気ないですと言わんばかりに壁にもたれながら一服する生臭坊主が。
「俺はさっき働いただろうが。今度はてめぇが働け」
「えぇぇ…」
珍しくノリがいいとか思ったら最初から働く気無かったのかこいつ。道理で。
「き、貴様ら私達を侮辱しているの!?」
一連の会話が気に障ったらしいプラズマ団Aがヒステリックに叫ぶ。
「侮辱されるだけの矜持なんぞてめぇらには無ぇだろ。雑魚は雑魚らしく纏めて掛かってこい」
「貴様ぁ!」
「ただで済むと思うなよ!」
鼻で嘲笑う金髪女王様に煽られて、これまたテンプレな台詞を吐くプラズマ団AとBは怒りに任せボールを投げた。
「わざわざ挑発すんなよ生臭坊主。仕事すんのは私なんだぞ」
「五月蝿ぇ。来るぞ」
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