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10万筆頭お礼小説:携帯獣+αと逝く
チートの弊害。

勝負は唐突に始まった。

Nは徐にモンスターボールを投げる。

光の軌跡を伴い現れたのは、紺地に白の混じった子猫────チョロネコだ。

「チョロネコ、ひっかくだ!」

鋭いNの指示。

チョロネコは間を置かず行動に移る。

それを一瞥した三蔵は眉一つ動かさず、

「───ピカチュウ」

「ぴぃか!」

ピカチュウの身が空に踊る。

「殺れ」


途端、小さな肢体を圧倒的な量の雷光が包む。

脳がそれを認識するや否や、残像となって消えていた。

残像の向かう先は無論チョロネコだ。

「っ!チョロネコ、かわせ!」

咄嗟にNが回避を指示するが、遅い。

チョロネコが指示を実行する間もなく雷光がチョロネコを呑み込んだ。



ズガァァァン!



爆音が空気を震わす。

もうもうと土煙が上り、それが引いた時には黒焦げになったチョロネコが倒れていた。




「え、えげつねぇ……」

これは酷い。

レベル一桁台のチョロネコ対レベルカンスト高個体値努力値調整済性格補正有り電気玉所持のピカチュウ。

これだけでも酷いのだが加えてピカチュウが使用した技がこれまた酷い。

電気タイプ物理依存最強技────ボルテッカーだったのだから。

オーバーキルにも程がある。

いや、ここは命令に忠実に従ったピカチュウを褒めるべきなのか。


「はっ、他愛ねぇな」

三蔵や。悪人面は結構だが、勝負に勝ってごきげんなピカチュウ撫でながら言っても面白いだけだ。


「………こんな在り方」

「あ?」

傷付いたチョロネコをボールに戻しながら、Nは三蔵をキッと睨みつけた。

「こんな在り方は間違っている。ボクはポケモンというトモダチのため、世界を変えねばならない」

そう吐き捨て、Nは去って行った。

………待て。この状況はもしかしなくても。


「何だったんだあれは」

「……………………最悪だ」

「どういう事だ」

「……三蔵、お前主人公ポジションに決定」

一番面倒臭いフラグの回収完了である。

「!?」




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あきゅろす。
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