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114. 午前十一時二十三分
佐助さんと政宗さんのところを通って、次は仏間へ行く。居間と仏間は一通りになって繋がっており、仏間へ行くには、居間から縁に出て 障子を開けて仏間へ行くか、居間の障子を開けてそのまま仏間に一直線に行くかのどちらかになる。ちなみに私と幸村さんは 居間から直接仏間に行くことにした。
佐助さんと政宗さんの邪魔にならないようにこそっと居間を通って仏間へ行く。なんか嫌なことが起きそうな時に感じそうな悪寒はしなかったので、あぁ とりあえず除霊は出来たんだなぁ と思った。
うん、感謝 感謝。
仏間に出ると、こじゅさんと なりさんが畳を引き剥がして外に出していた作業をしていた。

「こじゅさん、なりさん。お疲れ様です。」
「おう、お疲れ。」
「くっ・・・何故我がこのような事を…」
「片倉殿、毛利殿。一体何をなさっておられるのか?」
「んぁ?あぁ、畳干してんだよ、畳。」
「え。」
「そいつが畳が腐っているかもしれんと言って畳を引き剥がして外に出しているのだっ!ったく…こんなの、従者等にやらせばよいものをッ・・・・・・!!!!」
「おい、毛利。ここは俺達のいた所と違うところだぜ。」
「・・・。」
「んー・・・ま、頑張って下さい。なりさん、こじゅさん。これ、終わったらお昼にしましょう。こじゅさんお手製のお弁当で。」
「む・・・。」
「そうだな。これが一段落したら休んだ方がいいな。後はこいつを干すだけだし・・・長曾我部の方も手伝った方がいいだろう。」

と こじゅさんが言う。かーんかーん と鳴っていた木を切る音がより大きく聞こえた。

「そう、ですね。チカさんも一人じゃ出来ないこともあるだろうし・・・じゃ、お昼終わった後で 幸村さんと政宗さんに協力してもらうように言うけど・・・いいよね?」
「・・・あぁ。政宗様もお暇になるだろうからな。」
「え。某もでござるか?」
「うん。佐助さんには台所、こじゅさんには畑の下取りで なりさんは薪拾い・・・ってな感じで。」
「はぁ?!!我が薪拾い、だとッ!!?!」
「うん。木を切り倒すのと材木にするとで 一番楽な作業が薪拾いだから。」
「・・・。」
「だが、真っ白。畑の下取りには凄ぇ時間がかかるぜ?まぁ・・・一日では終わらんな。」
「・・・あ、それは後で。今は引越し先の家を今すぐ住めるように掃除しているだけだから。こじゅさんは この家の土地や土の具合を見て、一体どういう仕事をすればいいのか考えてくれるだけでいいから。」
「それだけか・・・」
「うん。それに、今じゃ色々と足りないものがあるでしょ?道具とか時間とか。」
「・・・何から何まで、すまねぇな。」
「や、いいよ。どうせ乗りかかった船、だし。」
「! ならば我はこの家の周囲を探索してやろう。」
「あ、某もでござる!!」
「うん。それはチカさんの作業と手伝いが終わってからね。終わらなきゃ駄目だから。」

あ。幸村さんと なりさんが しゅんと落ち込んだ。多分、幸村さんは なりさんの「探索」と言う言葉に興味を持って、なりさんは多分サボり目的で「探索」と言う言葉を出したそうだけど、悪いが今は周囲の状況を優先させてもらった。まず最初に終わらせなければいけないことは「引っ越したすぐに住めるような状態まで この家を掃除する」と言う事だからだ。

と、言うわけで気を取り直して 縁側の方へ出る。かーんかーんと言う音と夏至の陽気がさんさんと降り注いだ。あ、風。涼しい風だなー。京都の昔ながらの四季とりどりの暖・涼の取り方をしたくなってきた。

「あ。こじゅさん。何か手伝いましょうか?」
「いや、いい。猿飛や政宗様に 畳を干すように言ってくれ。」
「うん、分かった。」

こじゅさんが畳を持って縁側に出てきたので、何か手伝える事は無いかときいたら そう返された。幸村さんも こじゅさんの手伝いをしている。幸村さんの持った一枚の畳が縁側の廊下に寝かされた。
なりさんも悪戦苦闘して畳を運び出して 縁側の廊下に寝かせていた。
・・・最後に皆で家全体を掃除する事になりそうだな と、幸村さんやなりさんが土足のままでいた事を思い出しながら、佐助さんと政宗さんに畳を干すように伝えた。
佐助さんと政宗さんは 分かった と言う答えを返した。あ、先程発見した囲炉裏や火鉢が何かキラキラしている。きっと、そんなに発見したのが嬉しかったのだろーなぁ。 政宗さんや佐助さんがちゃんと掃除していたので、キラキラしていた火鉢と囲炉裏には何も突っ込まなかった。


チカさんの手伝い用件は、昼食時でいっか。
そう思いながら、カバンから大きい水筒を取り出して、そこに冷たい水を汲む為に 川へ向かった。

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あきゅろす。
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