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113. 午前十一時二十分
子供部屋の掃除が終わり、次はチカさんや佐助さん達の仕事を手伝う事にした。
こじゅさん達のところは・・・・・・私も幸村さんも幽霊とかが怖いと言う事で、後回しと言う事にしといた。
汚れた水の入ったバケツと雑巾を持ちながら階段を下りる。幸村さんがバケツを持つと言ってくれたけど、何だか階段のところでつまずいて零しそうだから止めといた。いや、幸村さんの誘いを丁寧に断っただけだけど。代わりに幸村さんには箒・ちりとり・叩き、その他諸々を持ってくれている。あ、なんか正しい敬語の使い方を思い出した。確か、「くれる」は相手に対してだと失礼に値するとか何とか・・・。まぁ、私は感謝と尊敬の意意味で使っているのだが・・・。
そんな事を考えている内に階段を下りきった。
とりあえず・・・まず佐助さんと政宗さんのところへ行って、程度の度合いを見てから、チカさんのところへ行くかどうかを決めよう。・・・や、もしかしたらチカさん、薪割りしてるかもしれないけど。ま、いいや。

とりあえず佐助さんのところへ行く。確か広い居間だから・・・とりあえず広いところへ出ればいいんだな。障子のでかい所と数枚の多い所を探して廊下をうろうろする。
・・・ バケツが重いね。

「真っ白殿、先程佐助が書いた地図はどうしたのだ?」
「あ。確か佐助さん。」
「・・・。」

確か佐助さんに地図を渡してそのままだと思う。幸村さんは首をひねらせて少し考えた様子の後、私の方を向いた。

「真っ白殿、確か此処であるはずでござる。」

と、私の手を引いた後、まんまと居間を当てた。


バケツを片手で持ったまま(雑巾はバケツの縁に掛けてある)障子を開けると、佐助さんと政宗さんが何かに感動していた。あ、アレ懐かしー。実物で見た事無かったけど。ブラウン管越しに何とかかんとか〜って言う歌思い出した。一瞬。よく考えればテレビや教科書や本でしか見た事無かったし。火鉢や囲炉裏。
ぼけーっと二人の様子を見ていたら、佐助さんが感動した目のまま(あれ、泣いてた?目が潤んでいる。)私の手を掴んだ。一瞬の出来事でした。流石忍ですね。と言いたくなった。

「真っ白、真っ白!聞いてよ!俺達の世界にもある火鉢や囲炉裏がこの家にあったぜッ!!!!!!!」
「あ、うん・・・。」
「つまりはだ!もしかしたら この調子でいけば、台所も釜かもしれないし、囲炉裏で作る料理も出来るかもしれないぜッッ!!!!!!!!!!」
「きりたんぽも出来るぜ、真っ白ッ!!」
「あ、きりたんぽは楽しみだ。」

佐助さんと政宗さんのテンションに付いていく事は出来なかったが、政宗さんの きりたんぽの楽しみにはついていく事が出来た。

「・・・俺は嫌だぞ、佐助。あの料理、すぐに出来ぬではないか。」
「何言ってんの、旦那。そこが醍醐味でしょ。」

・・・どうやら、佐助さんの楽しみにしている料理は、幸村さん曰く とっても長く時間のかかる物のようだ。と、佐助さんと幸村さんの会話から判断した。背後から聞こえてます、バッチリと。

「Hey, 猿飛。そいつは一体どういうdishなんだ?」
「んー 。とっても美味しいもの。伊達印の野菜が組み合わされば、極上の物になるかもね!」
「・・・む。」

ご、極上…! じゅるり、と危うく涎が落ちそうになった。幸村さんは既に涎が落ちてたけど。
幸村さんは眼を輝かして なんだか動揺していた。政宗さんところ 恐らくこじゅさんが作っているであろう 野菜があれば益々美味しくなると言う事ならば、長い時間 食べられるまで待っていられる、と言う事なのだろう。つまり、佐助さんの楽しみにしているのと一番お勧めしている料理のネックは時間が凄くかかると言う事だ。出来あがるまで。
…ま、佐助さんが 一番お勧めしている、と感じたのは、佐助さんが今まで見た事のない位までの笑みを浮かべているから、であろうな。うん、多分。かっこ多分。

「よし。じゃあ、こじゅさんの野菜が出来上がった日とちょっと涼しくなった時期に 佐助さんがお勧めする鍋を作ろう!皆で囲炉裏を囲って。」
「うむ!」
「Ok, 楽しみだぜ。」
「材料が揃った暁には作ろうね。」

何だか仲間外れにされた気分だったので、無理やり 何とか自分を奮い立たせて 鍋パーティの提案をしたら、佐助さん達が頷いてくれた。


とりあえず、次は こじゅさんとなりさん達のところへ行くことにした。


「あ、真っ白ちゃん。台所は俺がやっておくから!」
「うん、暇だったら先にやっとくね。」




真っ白が疎外感を感じたのは、三人(幸村・佐助・政宗)にしか分からないような会話をされたから。

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あきゅろす。
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