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124.
「そういや、暑いねー、なりさーん。」
「あぁ そうだな。」
「こんな時はアイス食べたいねー、アイスー。」
「・・・あいす?何だ、それは・・・。」
「冷たい食べ物。こんな暑い時に食べたら最高の一品。でも溶ける分早いから、早く食べなきゃいけない。」
「・・・そうか。」
「そうなんだよー。」

だらだらと なりさんと喋りながら電気屋の到着を待っていたら、後ろから がさがさ という音が聞こえてきた。振り向く。

「よぉ。」
「あ、こじゅさん。どうしたの?こじゅさんもサボり?」
「ほう。提案者自らがサボりとは…いい度胸じゃねぇか。」
「ごめんなさい、冗談です。」
「こっちも冗談だ。」

893なモードに入ったこじゅさんに平謝りして許してもらうとしたら、こじゅさんも 冗談だ と言った。なんだ、こじゅさんもか。チラリと横を見てみると、なりさんは依然として変わらず、黙々と本を読み続けていた。「気にすんな、」とこじゅさんが私の頭をガシガシと撫でた。

「それより、こじゅさんもどうしたんですか?サボり?」
「違ぇよ。」

と、崩した前髪を整えながら答えるこじゅさん。別に崩したままでもいいような気がするが…気持ちの問題?びしっとする?ボディーガード・・・とは違うな、あのVIP特性は・・・なんなんだろ・・・ター○ネータ並の黒さとサングラスの黒さとスーツのビシッと決まった感は・・・。

「政宗様達が暑さで参ってな、近くで何か冷たい物が取れないかと思ってきたんだが・・・。」
「・・・もしや、コンビニとかスーパーの類をご期待で・・・?」

そう言うと、こじゅさんは うっと 黙った。
どうやら図星のようだ。

「・・・今まで見てきた道をみて分かると思うけど・・・近くの田舎町まで、一時間位かかるよ?」
「・・・だ、ろうな・・・。」
「・・・いっその事、水浴びしちゃったら?ほら、近くに川もある事だし。水も程良い位に冷たかったし!暑さもきっと吹っ飛ぶよ!」
「着替えはお前ので もう無いがな。」
「う゛」
「それに、男が大勢で川で遊ぶ等、あの忍者も想像がつかんだろ。」
「えー。」

いや、確かにそうかもしれないけど。佐助さんも、まさか幸村さんや政宗さんだけではなく、チカさんやなりさんが川で遊ぶなど・・・あ

「こじゅさん、こじゅさん。」
「あぁ?なんだ。」
「チカさん、ちゃんと服着てた?」
「・・・まぁ、この気候だからな…。半乾きでも着てんだろ。」
「そ、よかった。」

あのまま上半身裸で木を切るのはキツイと思う。木の枝とか幹の皮って、意外と鋭いから 切れると痛い。棘が刺さったら ちょっとキツイ。取り出すのが。

「…用件はそれだけなのか。」

なりさんが何だか ムッとした口調で言った。
用件と言っても、私はここで電気屋さんの車を待っているだけなのだが・・・。こじゅさんが「いや、まだだ。」と言った。へぇ、まだあったんだ。と思って こじゅさんを見ると、じっと私を見てきた。え、なに?いや、私 エスパーじゃないから、こじゅさんが何考えてるか、って 一目瞭然じゃ分からないから。「えーっと、なに?」って こじゅさんに尋ねようとしたら、不意に後ろから排気ガスの排出される音。
やった!やっと来たか!と、気まずい空気をブチ壊す存在を期待したら、お前か。赤毛のロン。




「真っ白!今日の最高気温が40度超すって言ってたからアイス買ってきた!勿論、お前の実費でな!!!」
「軽く犯罪。」
「丁度いいじゃねぇか。もらうぞ、それ。」
「あぁ!と、取るんじゃねぇ!!!!」
「おい、真っ白。コレは何だ。」
「えーっと…。1.情報屋 2.ストーカー 3.お隣さん、のどっちかかな。」
「え。3だったら完璧ストーカーになんじゃん!」
「よし、2. か。」
「真っ白、先にコイツを持って政宗様達のところへ行け。少し用事が出来た。」


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あきゅろす。
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