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112. 午前九時三十分
近くの川から汲んだ水の入ったバケツを床の上に置く。
幸村さんの掃った埃が器官に入る。しまった、マスクも買っておくべきだった。幸村さんも ごふんごふん と言っている。
生憎叩きは三本しか買ってなかった(残りの二本はこじゅさんと佐助さん それぞれ一本ずつあげた)ので、私はまだ水につけたない 乾いた真新しい白い雑巾で 幸村さんの掃い落としてない箇所を拭って、外へ掃い落とす。

「・・・。」
「 ん?なに、幸村さん。」

幸村さんが じっと私の雑巾から埃を掃い落す様子を見るので、つい尋ねてしまった。幸村さんは叩きを前後に動かす手を止めて私の雑巾をじっと見ながら答えた。

「いや・・・真っ白殿のやり方でやった方が、効率が良いと思っただけでござる。」

ごふんごふん、と咳をしながら幸村さんは答える。私はクシャミが出た。舞った埃が目に入りかけて目が しょぼしょぼする。

「いや、でも 後で水ぶきとかしたら大変だよ。次、掃除する時に代わる?」

代わる、と言うのは この部屋が終わって次の部屋を掃除する時に、私が叩きをする役目になろうか、と言う事だ。その間、埃が凄いので 幸村さんは部屋の外で水の入ったバケツと共に待機してもらう事になるが。

「・・・某は、その間 何をしていればいいでござるか?」
「ん、外で待機。」

埃凄いから。
そう返すと、幸村さんは苦い顔で「いいでござる」と返した。なんだ、その顔は。一体何が嫌だと言うのだ。
だが 私はそう深く突っ込まずに雑巾で埃を拭う。そしてその後、幸村さんに雑巾を渡して水拭きを始めた。
途中、幸村さんが暴走して壁にぶつかった時は焦った。壁にちょっとその跡が残った。

「す、すまないでござる・・・。」
「・・・ま、記念としておこう。」

浄霊したと言っても曰く付きの物件。ま、そんなに買い手はつかないであろう。不動屋さんの修理費も安いはずだ。
せっせせっせと掃除をして、子供部屋三つの掃除を終えた。

「よし。子供部屋、三つ終了!」
「・・・畳では、ござらんかったな・・・・・・。」
「 大丈夫だよ、幸村さん。仏間は畳だから。」
「そうでごッ!」

畳で嬉しそうな笑みを浮かべた反面、仏間で顔を青くした幸村さんでした。

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あきゅろす。
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