95. きたく 「ただいまー。」 そう言って玄関の扉を開ける。 あの後、うにくろ こーぷと行って 見事に両手が荷物だらけになった。まだ政宗さんとチカさんは手を握ろうとしたけど、政宗さんとチカさんの手首が酷い事態になりそうだったので断った。久々の解放感を味わえたが、重い物を持たせてる二人に悪い気がして 持とうと言ったら 駄目だ と断られてしまった。私の荷物と交換しようと言っただけなのに・・・あ、私が重い物二つ持つ事になるか。まぁ いっか。そして今 私の両手にあるのは比較的軽い荷物、浴衣の入ったうにくろの袋と、今日のおやつしかない。 うにくろの袋を置いて靴を脱ごうとして屈んだら 幸村さんが私にダイブしてきた。不安定な体勢の為バランス なんてとる事できるかッ! そのまま前へ押し倒される。たまたま私の後ろにいた政宗さんへダイブしてしまい、政宗さんも両手に荷物もあってバランス崩すし、一番でかくて がたいのいいチカさんが私と政宗さんを受け止めた。多分、チカさんがいなければ もっと悲惨な事になっていたと思う。政宗さんが後頭部を強打!するとか。 「真っ白殿ッ!!おかえりなさいでござるッ!!!」 「う、うん・・・た ただいま。」 「元親殿も政宗殿も、おかえりでござるっ!」 「おう、ただいま。」 「ただいまだぜ・・・・・・っつーか、幸村。その前に言う事があんだろ。」 「何でござるか。・・・真っ白殿を抱えている政宗殿には言うことはござらんが。」 「あぁ!!?!」 「真っ白殿、元親殿、すまないでござる。」 「? え。あ、うん。」 「んにゃ、どうって事ねぇよ。」 何か 幸村さんがボソリと言ったような気がするが・・・聞き取れなかっただけなのだろうか。政宗さんにはばっちり聞こえていたようだが・・・・・後で耳かき、しよう。 「ん。おかえり〜。」 「あ、佐助さん。ただいま。」 「うわー・・・これは沢山買ったねぇ。」 「えへへ・・・ま、まぁ・・・。」 「 アンタの分もあるぜ。」 「あ・・・そっか。俺達の服、買って来てくれたんだっけ。」 「えぇ。後、今日の御飯の分も。」 「・・・材料だよね?」 「えぇ。」 「俺が粋のいい野菜を選んだんだ。goodなdinnerを作れよ?」 「えぇ・・・なんで俺様が家事役なわけ?」 「あ、すみません、佐助さん。今から買った服、纏めるんで。」 「え?纏めんの?」 「うん。明日、引っ越しの準備 しようと思うから。」 「うーん・・・もう少し後でいいんじゃない?家、決まってからでも さ。遅くないと思うよ?」 「・・・そう、だね・・・ん、分かった。」 「そうそう。男六人いるんだから、早く終わるって!」 「そうですね!あ、佐助さん、お土産です。」 「ん?なになに?」 「じゃんじゃかじゃーん。ヘアゴム!」 「・・・ヘアバンドって、書いてあるよ。」 「うッ! ま、まぁ・・・言葉のあやですよ、あや!とにかく、なんか変な鉄板?らしきものつけていた佐助さんにプレゼントです!予備の分も合わせて二つです!!」 「 ん、そっか。ありがと。」 「あ!」 「ん?どっか変なとこでもある?」 「 いいえ!」 「真っ白殿、某に 土産はないのか?」 「こら 旦那っ! 真っ白ちゃんの邪魔になるでしょっ!!」 幸村さんが私の肩に圧し掛かった。 流石に 腹黒やらオカンと書かれたTシャツをお土産として買って帰ろっかな。と思った事は 言えなかった。 「・・・ごめん、今日 色々と行ったから・・・。」 「ぶー。」 「Hey, 真っ白。俺達の浴衣入ってんのって、コレだよな?」 「あぁ、そう。」 「 Ok!」 「じゃ、先に邪魔させてもらうぜ。」 と言って 政宗さんが 私の置いた うにくろの袋を持っていき、チカさんが部屋に上がって、客室のデスクに すーぱーで買ったものの入った袋を全て置き、寝室へと消えた。 佐助さんも私が買ったヘアバンドをして スーパーの袋に入っている材料を点検しはじめた。 「む。真っ白殿、その袋は何でござるか。」 「あ、私の今日のおやつ。」 「・・・・・・・・・・・・某の分は・・・。」 「駄目。前にも言ってたじゃん。幸村さん達にとっては毒かもしれない。って。まぁ そんなに食べたいなら、佐助さんと相談してみるけど・・・。」 「!?! 何故佐助でござるかッ!!!?!」 「んー・・・まぁ・・・佐助さんなら、そう言う健康管理のプロファッショナル だと思って、さ。」 「むぅ・・・しかし、佐助がそうでござるなら、政宗殿ところの片倉殿も、それの筈でござるよッ!!!?!」 「うーん・・・片倉さんは、別の方面の食事のプロファッショナル。こう言う、未知の物に対する健康管理に関しては、佐助さんが随一なの。」 「・・・しかし、某・・・真っ白の料理を食べても、平気でござった。」 「それは作った人がはっきりしてたから。これの場合は作った人がはっきりしてないの。おーけ?」 「・・・真っ白殿、あまり政宗殿と同じ言葉を使わないで欲しいでござる・・・」 「大丈夫、あまり使わないから、さ。」 と 泣きそうになる幸村さんの頭を撫でる。うん、やっぱり私が保護者のはず、だよね?私も立派な大人なんだ、し。なんで佐助さん達と一緒にいると、小さい頃に戻っちゃうんだろ。まぁ 幸村さんといて辛いって事はないんだけどなぁ。 とりあえず、今日の私の夜のおやつは、佐助さんとのお食事懇談会で使われる事になった。ちくしょ、ポリポリと食べようと思ったのに・・・。 買ってきた今日のおやつをスーパーの袋と共に置き、寝室へ向かう。 女人嫌いの筈の幸村さんが 私に抱きついたまま 私の後をついていく。・・・どうしよう。なんだか反応に困る反応である。 寝室の扉を開けると、浴衣に着替え中の こじゅさん、なりさん、政宗さん、チカさんがいた。 しばし固まって 勢いよく扉を閉める。皆さん、全裸に近い状態だったり 半裸に近い状態だった・・・って、何解説してるんだ。自分は。 「真っ白殿、目は大丈夫でござるか?」 「うん。多分、十中八九の異性がいう目の保養になるから 目は大丈夫だよ・・・って何言わせてんだ、コノヤロー。」 「真っ白殿、某は コノヤロー ではござらん。」 「うん、何言わせてんの、幸村さん。」 「某、真っ白殿のその答えを聞いて、がっかり半分安心半分でござる。」 「うん、どう返せばいいのか分かんない。なんかの漫画の影響?」 「さぁ でござる。」 とりあえず落ち着いたら 再度寝室の扉を開けよう。きっと皆さん、浴衣に着替え終えてる筈だから。・・・あ、うん。とりあえず 一人二着ずつ、買ったはずだから。うん、幸村さんの分も一着。 真っ白ちゃんの『反応に困る』→慣れてない 幸村は他の武将に比べて子供っぽい分、素直に真っ白に想いをぶつけられる。他の武将は色々と考えているから自分の思いを言わないときがある。 多分、この差。 [*前へ][次へ#] [戻る] |