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88. なやみ
幸村さんや政宗さん達が朝食食べている隙に米洗おうとしたら 佐助さんに止められた。佐助さんは 自分がやる と言ってくれたけど、釜で炊くようなものではなく 炊飯器で炊くものなので、私がやると主張したら 般若の面が現れた。恐怖に勝てなくて 横で炊飯じゃーの使い方教えると言う事で手を打った。

食卓に着くと、皆はまだ食べてなかった。グラスはそれぞれ一つずつ置かれており、牛乳が真ん中に置かれている。空いた席に座り、牛乳の傍に置かれた蜂蜜をドバッとパンの上に掛ける。政宗さんや佐助さん達が一斉にこちらを見る。

「?」
「真っ白殿、これを ぱん の上に掛ければいいのでござるな!」
「う、うん。甘党の人になら。」

幸村さんは そう言って私の手から蜂蜜を取り上げる。佐助さんが シュパッと幸村さんから蜂蜜を取り上げなかった辺り、事前に味見をしたのだろうか。何と言う早業だ。そしてよく見れば 佐助さんのだけ 既に牛乳の飲まれた跡がある。
・・・皆一様動かないし、どうしようもないので、私が「いただきます」と手を合わせて合掌した。そしたら皆一斉に 私の動きに合わせて「いただきます」と言った。丸皿に盛りつけられたパンを睨みつけて。

なんだなんだなんだなんだ このパンの扱いは。こじゅさんや なりさんの様子を見ながらパクパクと自分の分を食べる。こじゅさんなりさん共にパン皿を睨みつけているし、政宗さんはちょっと変わったフォークの持ち方でパンを食べているし、幸村さんとチカさんはグーの手で持ってるし、佐助さんの手もおぼつかない。

・・・まさか!

私は急いで席を立ち、台所から つまようじが束に入った容器を持っていく。

「食べにくかったら これに刺してどうぞ!」
「いや、ただ・・・コイツの使い方が分からねぇだけだ。」
「これに刺して食せばよいのか?」
「おいおい。真っ白の見りゃ分かるだろぉ。」
「真っ白殿はこれに ぱすた とやらを巻き付けたり さらだ を突き刺したりして食べるでござるよ!政宗殿、それは違うでござるよ。」
「Hun? 手前ぇも俺のと大差無ぇじゃねぇか。」
「何を言うておられるか。某の方がまだマシでござる。」
「はい、そこ!いがみ合わないの!真っ白ちゃん、ありがとね。」
「いえ。」

とりあえず使わないんだなぁ と思って爪楊枝を元の場所に戻し、席に戻る。
その後、皆が 私のフォークの使い方を 見よう見まねで悪戦苦闘して パンを食べていたので、特に述べる事はないので割愛!(パンが容器から落ちたりとそれで小競り合いをちょっとしたりと何か競い合いになったりそして叱られたりしてたけど、なにも特になかった として割愛するよ!)


ちょっと戦争になりかけた朝食も終わり、汚れた机の上を濡れた布巾で拭く。佐助さんが 幸村さん、政宗さん、なりさんチカさんを叱っていた。こじゅさんが 私に謝ったが、別に謝れる筋はないので いいですよ と断っておいた。布巾で机を拭きながら、今日の買い出しの事を考える。一番のメインは 服の買い出しだ。衣類が決定的に足りない。男六人分の衣服なんて無い。幸村さんのしか無い。幸村さんのサイズに合わない人がたくさんいらっしゃる。幸村さんはよしとして、なんとなく なりさんが着そうなのは分かる。だけど、政宗さん、チカさん、佐助さんの着そうなのが分かんない。せめてスーツしか思いつかない。一番合いそうなのが。
これを元に推し進めて行くと、買い出しには互いに違うサイズで服のセンス(どう言うのを着るかどうか分からない)で二人決めるしかない。三人?人ごみに紛れて迷子になる確率があるじゃないかッ!!!私か 三人のうち誰かが。後、三人も見れる自信がありません。佐助さんやこじゅさんは出来そうな気がするが・・・。

とりあえず、幸村さんは佐助さんの着そうなものを知っていて(佐助さんも幸村さんに合いそうなのを知っていて)、政宗さんはこじゅさんのでこじゅさんも政宗さんので、チカさんはなりさんの なりさんはチカさんの(喧嘩するほど仲がいい方程式で)、でも 家に置いとけるのは誰だろう?
とりあえず 今日から休業と看板は掛けるが、急のお客さんに対応できるのは 誰だろう。
幸村さんは一ヶ月ずっと一緒にいて 慣れたと思うがなんか不安だし、政宗さんとなりさんは なんか 論外。ちょっと接客には向いてないと思う。なりさんは罵倒しそう。政宗さんは ちょっと夜のお仕事的な対応をしそう。それはヤバいよ。うちの職業舐められちゃうよ。下手すりゃ そういうのから電話がかかってくる。それだけはやめてくれ。
つまり安心できるのは、佐助さんかこじゅさん。だけど佐助さんと幸村さんは昨日外に出たって言うし、幸村さんは居残り組みとして 佐助さん二回目だと・・・なんだかなぁ。そういや、チカさんと佐助さんは 何だか似たような体型だし、佐助さん忍だから チカさんよりちょっと身体 細いはずだよね。チカさんは筋肉質で佐助さんは細身で・・・あぁぁああ!!ちょっとタンマ タンマ!!今の無しねッ!!でもこじゅさんに近い体型がいない。政宗さんは ずっとこじゅさんと一緒にいたって言ってたし・・・こじゅさんのサイズ、目測で分かりそうだよなぁ・・・なりさんは・・・チカさんと話せばサイズは・・・合わないこともないはずだ。

「おい、真っ白。大丈夫か?」
「え、な 何が?」
「一人百面相してたぜ。That's interesting.」
「えぇ・・・。」
「・・・不純な事 考えてたわけじゃねぇよな? Uhn?」
「いや・・・ただ、服のサイズが・・・」
「size?」
「ん、ほら昨日・・・」
「・・・Ah..言ってたな。」
「そうそう、それで 服のサイズが・・・」
「・・・で?」
「で、服のサイズや何着るか分からないから、誰と誰を連れてった方が一番手っとり早く無駄なく終わらせレるかなぁ と思って。後、食材の買い出しに行くし。」
「hum. 俺と小十郎じゃ failure なのか。」
「そうじゃないけど・・・服のサイズが・・・。」
「・・・今あんのは どんだけなんだよ。」
「えーっと、まず 昨日佐助さんに着て貰った ブカブカになった着物と、前 自分も泊まりに行くぜ! って服を置いたままにされてしまった奴が一つと・・・」
「Stop. 今聞き捨てならねぇ事を聞いたぜ。」
「あぁ、大丈夫ですよ、未遂はそれ一つだけだし。後はG対策のスプレー巻いたりとかして嫌がらせして追い返しましたから。」
「phew. 恐ろしい女だぜ、アンタは。」
「でも敵には容赦しないだけですから。」
「でも俺は嫌いじゃないぜ。そう言うの。」
「え。」
「ん?」

サラリと聞こえた言葉の意味が分からなくて聞き返そうとしたら、チカさんが政宗さんめがけて飛んできた。ドスンと胸に政宗さん、背に壁?を感じたら、前に 怒りの形相のような なりさん、背後に無表情の何かオーラが怖い幸村さんが 私を見下していて、なんとも言えない状態になった。と言うか怖ぇ!!!!!怖ぇよ、これッ!!!!!!!!!
でも、この状況よりお化け屋敷とかそういう系のスポット行くかと言われても行かないと絶対に答える自信はある。

でも、この状況は怖い。


そんなことを考え続けていたら、佐助さんが「どうしたの?」と助け船を出してくれた。
マジで助かったッ!!

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