[携帯モード] [URL送信]
87. ちょーしょく!
昨夜は色々とあったが、今日は中々夢見がよく、熟睡出来た。夢の内容はあまり覚えて無いけど。
軽くストレッチしても、一昨日と昨日のように どしゃーと血は出ない。フフン。佐助さんやなりさん達の治療と私の回復力の賜だな!・・・ずきっと鈍く痛んだのは気のせいだ・・・。
ベットの前に置いた目覚まし時計を見ると、何時もより早く起きた。よし、今度こそは自分一人で料理作るぞ。ここ二日間、佐助さんやこじゅさんにばかり 任せッきりしたのだ。決して和風ばかりではなく洋風が食べたくなった、と言うわけではない。
ベットの脇に寝ている幸村さんと佐助さんを踏まない様に気を付ける。ベット側で寝てるのは幸村さん・佐助さんチームに切り替わってたようだ。政宗さんとこじゅさんが寝る場所を変えると聞いたが・・・一日交替だったけ?一週間交替だと思っていた・・・。
それにしても熟睡してるなー・・・幸村さん。佐助さんは忍だから物音立てただけでも起きそうだけど。あ、それだったら他の人もそうかなー・・・。私だって、他の人の家に遊びに行って寝てもあまり寝られないし。緊張したりとかして。まぁ、別に可笑しな事しなければ、佐助さんも起きないよね。
なるべく音を立てないように こっそりと寝室から出る。襖にも気を付ける。押入れには なりさん・チカさんが眠っているが、一昨日と打って変わって 押入れの襖は全開だ。暑苦しかったのかな。まぁ、暑苦しいだろうなぁ。それに、閉め切ったままだと時間感覚 分からなくなるし。

こっそりと寝室からの脱出が成功し、こっそりとなるべく音を立てないように寝室の扉を閉める。なんだかこれ、小さいいたずら小僧の気分を味わえれる。
今度、早起きしたら こういう事しようかなぁーと考えながら台所へ向かう、が ノートパソコンに繋いだお知らせ機能がピコンピコンと青い明りを光らせて知らせる。だがスルーする。朝っぱらから仕事するか。お知らせ機能は光るだけなので誰も起こしやしない。だが 後で質問される可能性は高いので、机の上に置いた資料で その明りを隠しておいた。

台所へ向かう。食器の一番上の棚に置いた食パンを取り出し、冷蔵庫からも冷凍した食パンを取り出す。冷凍したものはそのまま解凍させるとして、食パンの数を数える。十二枚・・・。男六人だと、この前 幸村さんと一緒に買った蓄えが尽きてしまう。今日の服の買い出しに 食糧の買い出しも追加しとかないとな。
冷凍庫の食パンをオーブントースターに皿を引いて二枚ずつ三分間焼く。と言うか温める。
その間に普通の食パンを 出したまな板の上に置き、一枚一枚ずつ六角に切っていく。量は少ない。ならば、噛みごたえとボリュームで勝負するしかない。
食パンは一人二枚と通算して・・・パンが焼き上がる。皿を一枚取り出してきて、その上に焼き上がった(温め上がった)パンを置き、次のパンを焼く。
あ、丸皿が足りない。くそ、まぁいい。とりあえず、 勢力ごとでいいや。ん?地域ごとか。まぁ、いいや。
確か似たような皿は三組はあった筈。よし、足りるか。え、何これ何これ。買い出しの品が多すぎる・・・くそ、こうなったら一週間位休みだ、休暇だ。仕事休みだッ!その間に引っ越し諸々を終わらせなければ・・・着いたら即買い出しだな、買い出し。日用品の。いつまでも客用の皿を使うわけにはいかん。
予定はズレるかもしれんが、とにかく一週間は一週間だ。今日も含めて一週間。この一週間で買い出し、引っ越しの二つを終わらせなければ。男六人もいれば、引っ越しの準備も後も早く終わる、はずだ!

断定的に決めつけ、もう一つ用意した皿の中に六角に切っていったパンを乗せる。また焼き上がり、これでラストだ。全て温め終えたパンを持っていき、また六角に切っていく。そういや卵の用意もしなければ・・・パンは吸収率がいい。だから、卵は無くなったら継ぎ足し、無くなったら継ぎ足しで・・・あれ?卵足りるか?いや、足りるかな。どうせ揚げるんだし。ちょっと位水気は切るしな。大きめのボールを下から取り出し、軽く流しで洗う。水気を切る。次に冷蔵庫から卵を四つ位取り出し、割る。割った卵の殻は三角形の中へ。
卵をかき混ぜて 砂糖、塩、こしょう、あぁ。牛乳も忘れてたな。牛乳を加えて、加えようとしていた胡椒を横へ置いた。
まぁ 甘めでいっか。これにくどみは無いと思うし。蜂蜜は前買ったから大丈夫だ。買った時期は幸村さんが来て いる時間だし、大丈夫だ。賞味期限が。多分、これで無くなるかなー・・・甘党が二人いるし。私と幸村さん。いや、現時点でだけど。
牛乳・砂糖を加えて卵の味が整うと、その中に幾つか切ったパンを加え、ぐるぐると掻きまわし、卵に浸す。おぉ、これで人数分はありそうだ。余ったらスクランブルエッグに使う。

中華鍋を取り出し、コンロの上に慎重に置く。この中華鍋のサイズは中で長い取っ手が付いている。そして想像する位大きくは ない。
空炊きする寸前にカローラ油を注ぎ、油ものができる位の量にする。使いさしの油を取っておく容器はあるにはあるんだが、近頃は滅多に揚げ物は作ってなかったし、結構前に他の事で全部使い切ってしまった為、揚げ物に再利用する為の油は全部切れてしまったのだ。うん、だから・・・カローラ油が半分以下になっても、泣かない。まあ、最初の量も量だが。
ぐつぐつと言い始めた油の中に 水気を丁度いい具合に切ったパンを放り投げる。じゅわっと景気のいい音がした。美味しそうな匂いもする。じゅわり。おっと、じゅるりだ。これでカリカリに揚げてやる。そしてこれで量をごまかしてやる。
その間に揚げ物を上げる為の細かな網のついたお玉を探す。埃を被ると嫌だから棚の中にしまいこんである。あ、あった。それを軽く水で洗い、清潔なキッチンペーパーで洗う。使い捨てのキッチンペーパーに清潔もあるかないかと問われても困るが。まぁ、拭くには超したことはない、と言っておこう。
軽く鍋の中を掻きまわしてパンの具合を見る。うん、いい具合かな。別に用意した揚げ物を上げる為の容器にそれらを乗せ、軽くほっとく。あらかじめ下にキッチンペーパーは引いといた。これで油分がしっかりと抜けてきてくれるはずだ。下に油分落ちるからな、なにせ。
そう一人ごちて次々とパンを揚げていく。サラダも作ろうとしたが、お昼の分を考えて ぴたりと手を止めた。一旦作業を中断して、米を確認する。・・・今炊けば、昼までには間に合う、はず。パンを全て揚げ終え、米を洗う準備に取りかかる。あ、これ 作りたてじゃないと美味しくないじゃん!!作りたてじゃないと美味しさがどんどん下がっていっちゃうよッ!!!

と考えながら作業してたらドテーンと転びかけて 咄嗟に掴もうとしたら掴めなくて、結局ドテーンと勢いよく転んでしまった。犠牲にした腕が痛い。全体重かけて支えた両腕が痛い。かなりバシーンときた。平手打ち位の勢いで痛い。


そんな音を立てた所為で皆が起きたようなので、まぁ よかった。と思う。だって、作りたてのフレンチトーストが皆に振舞えるんだからな。折角作ったフレンチトーストが不味くなったら、軽く落ち込んでたからな、自分。

そんな事を考えながら、またも手持ち無沙になってしまった自分は、幸村さんと政宗さんに指示して食器を出してもらっている。そして、その皿に 今作ったばかりのフレンチトーストを盛り付けている。後、容器の隅にフォークも添えて。
佐助さんは冷蔵庫から牛乳や蜂蜜を取ってくれて、ついでにお盆も出してくれた。幸村さんと政宗さんはグラスをそれぞれ取り出してくれた。
こじゅさんとチカさん、なりさんは机の準備をしてくれている。

朝食の準備が整い、料理を持っていこうとしたら、佐助さんに取られた。幸村さんと政宗さんはグラスを両腕にそれぞれ抱えており、私は牛乳と蜂蜜しか持っていく事になった。・・・料理、本来は私が持っていくつもりだったのに・・・。

牛乳と蜂蜜を持っていこうとしたら、寝癖の事に気付いた。寝癖を直し忘れた。咄嗟に手で頭を触るが、戸棚に映った自分の姿を見て、そんなに酷くなかったので、後で歯磨きと頭を洗う事にした。

[*前へ][次へ#]

90/122ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!