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81. お家探し2
「こうなったら、直接直談するっきゃないですね。直談。」
「直談?」
「えぇ。直接不動屋さんに乗り込んでって、他にいい物件が無いか探す。ぶっちゃけ楽して貰えるものなら貰いたかったんだが・・・」
「楽しちゃ何も手に入らねぇぜ。」
「御もっともです。」

元親の言葉に真っ白は心底そう思って頷く。

「額も額ですし、出来れば大人っぽい方が付いていただければ嬉しいんですが・・・」

幸村、政宗、元親が一斉に 佐助と小十郎を見た。

「え、俺様ぁ?」
「いや、しかしッ・・・政宗様を置いては・・・!!」
「だけど小十郎、俺はお前以外に適任だと思える奴はいねぇと思うぜ?」
「佐助ッ!俺は お前ならこの位の事、軽くこなせると信じておるぞっ!!!」
「い、いやぁー・・・旦那、そんな事言われてもねー・・・」
「俺ぁ、そこのお二人さんに賛成だぜ?竜の右目に武田の忍だろ?直談するにゃピッタリじゃねぇか。」
「・・・お話、お分かりになってありがとうございます。」

意味の分かった元親に真っ白は礼を述べる。意味の分かって無い四人は真っ白を見る。

「・・・つまり。こやつは童顔で幼く見られる上で しかも騙される可能性があるから 抜けている奴よりもずる賢く見た目で勝つ奴を一緒に行かせた方がより掴めると言いたいのだ。」

忍もその手には慣れているであろう? と、元就が四人に説明する。(その手、と言うのは、直談する事を含めて、だ。)

「いや、何処にもそんな意味含める言葉見当たらなかったから。」
「馬鹿が。こやつの外見と行動を見れば簡単に分かることであろうが。」
「いや、んなの手前ぇのdistorted viewじゃねぇと分からねぇから。」
「・・・当たってます・・・。」

え。と一斉に四人が真っ白を見る。真っ白は両手で自分の顔を隠し、涙声でそう言った。どうやらその経験が実際にあったらしい。まぁ その時は怒鳴りこみに行き、今いる家を手に入れたのだが。

「でも、そこまでは言ってません。ただ、自分よりしっかりしている方がいいと・・・」
「だが、真田と伊達では心もとないのは事実だろう。」
「・・・。」
「・・・Have you gussed right?」
「・・・政宗さんだと、振る舞いから金持ちの坊ちゃん、幸村さんだと私と同じように騙されそうだからです・・・。」

真っ白は政宗から視線を逸らし答える。

「真っ白殿。某は真っ白殿の思うように騙されぬぞっ!」
「でも旦那、騙される事はあるでしょ?」
「うっ!」

幸村は幼い頃佐助に一杯食わされた事を思い出して言葉に詰る。一杯食わされたと言われても軽いじゃれあいの中でだが。

「金持ちの坊ちゃん、か・・・フッ。」
「Huhn? なんだ、化け狐。」
「いや。」
「・・・政宗さんを馬鹿にしてるわけではありません。ただ、政宗さんが その様な高貴な振る舞いをしていると、高いものを紹介される確率が高いだけなんです。」

真っ白は自分と元就の弁解をするように 自分の考えを述べる。高貴な振る舞い、とは真っ白の実直な感想だ。王――言いすぎたが、上に立つもの――に相応しい振る舞いだと。逆に元就は策士として謀略に長じてそうだなと思うし(真っ白は謀略と言う意味をよく分かってない)、元親は親しみがあって色んな人から慕われそうだなぁと思うし、幸村はその一直線なところが良い所でそこから色んないいことが付着しているように感じて、小十郎は本当に主君の事を大切にしていて、佐助も小十郎とは別の意味で本当にいい主君思いの部下なんだなぁ、と思った。

政宗は真っ白の言葉に鼻を鳴らし、異論を唱えなかった。

「逆に俺だと柄が悪ぃし、そーゆー交渉みたいなのは苦手だからな。忍と右目が適役だと思ったんだよ。」
「なんだ、自覚してたのか。」
「悪ぃか。」

元親は元就の軽口にそう答える。


「・・・まぁ、そう言うわけで。お二人方・・・それでいいですか?」
「うーん・・・ま、それでお望みのものを手に入れられるのならば、どうぞ。」
「ふぅ・・・仕方無ぇな…。」
「本ッ当、すみません・・・利用するような形にしてしまって・・・。」
「や、いーよ。俺様、そこまで気にしてねーし。」
「う゛っ。」

真っ白は佐助の一言に軽く傷付く。佐助本人はこれっぽちも気にしてないが。忍だから、と言う理由もあるかもしれないが。

「・・・本ッ当、すみません・・・。」
「だからいいって。」
「・・・俺も、土に問題があると思うからな・・・アンタの直談に付き合う理由はある。」
「うぅ・・・ありがとうございます・・・。」

小十郎の一言に真っ白は涙ぐみながら礼を言う。


「あ、だけどその前に服買わなきゃいけないけど。だから 直談しに行くのは明後日になりますから。」
「え。」

全員が声を揃えて声を発する。期待を返せと思う反面、全員は同じ事を思っていた。この芽を、如何にして自軍に引き入れようか、と。
策略を巡り合わせると 自然と彼らの視線が自分の敵を睨みつける視線に変わった。敵意を持ち始めた。
真っ白はその原因を知らない。真っ白は自分が原因だと知らない。 だが 彼らが敵意を持ち始めているのは分かった。
真っ白は四軍の睨みあいから生じる未来に対して怯える。真っ白は無意識の恐怖から 涙腺が緩み、涙が出ていた。だが真っ白は気付かない。それが何時もの気のせいで横髪が頬にかかるだけなのだと思う。
真っ白は無意識の内に言葉を漏らす。

その一言に、四軍全員は真っ白を見た。


もう第三者視点で書かねえ!!!!!!!!!!\^O^#/

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