[携帯モード] [URL送信]
66.買い物班と居残り班
「真っ白ちゃん、眠ったよー。」
「よし。」

寝室から出てきた佐助に小十郎は よし と返した。何時の間にか小十郎を中心に輪が出来ていた。

「で、小十郎。一体どうしたって言うんだ。」
「食材だ。」
「...Ah?」

流石の小十郎の主、伊達政宗でも 部下の言った事が分からなかった。

「Ah...One more please?」
「だから食材が足りませぬのです。政宗様。」

小十郎が話を進める中、佐助が甲斐甲斐しく 血塗れに濡れた床と玄関と扉を拭いていた。幸村が手伝おうと佐助の傍に近づいたが、「旦那は話聞いてて」と一蹴されてしまって輪の中に再び戻った。

「だが、某は毎日 真っ白殿の作る料理に味も量も満足してたでござるよ?」

幸村の発言に政宗の右肩が一瞬震えた。

「お前にとっちゃ、だろうがな。あいつにとったら 少ねぇんだよ。まだ成長期の途中にいると言うのに・・・。」
「え。真っ白ちゃん、そんなに小さかったっけ?」
「俺はそこまで小さくは見えなかったぜ。19じゃねぇのか?」
「戯け。18だ。」
「仕事してんなら17でよくねぇか?」
「残念。全員外れでござる。真っ白殿は23でござる。」

全員、一斉に幸村を振り向く。
ちなみに年齢を発言しなかった佐助、小十郎は それぞれ 20、14だと思っていた。

「(俺様と同じ年・・・)」
「(わ、我より二つ上と申すかのッ・・・!!?)」
「(俺より一つ上、ねぇ・・・)」
「(俺より六つ下だとでも言うのかッ・・・!!?!)」
「(俺より六つも上ではあるが・・・・・・まさか全員が狙っているわけではあるまい)」
「(俺よりfouth上だとは・・・ッ まぁ、いい)」

「ごほん」
「まぁ、今のは聞かなかった事にしとこうぜ。」
「だな。」
「賛成。」
「賛成でござる。」
「フン、たまには良い事を言うではないか。」
「まぁ、コイツの言う事は スルーしといて」
「汚い腕を退け!」
「と、言うわけで話を元に戻すぞ!」

小十郎が絞めとして両手をパンと叩いた。

「食材が足りない事、だったよね?」
「あぁ、そうだ。」

佐助の言葉に小十郎は頷く。

「一体どういう食材が足りねぇって言うんだ?」
「全体的に、だ。」
「? どう言う事だ。」

緑の服、毛利元就が尋ねる。

「あぁ、どうやらあいつ、ずっと真田の分の量しか考えず作っていやがったのらしく、真田の分を引くと、半人分位しか量が無かった。」
「あらあら・・・ダイエット?」
「さぁな。そして、野菜が足りねぇ。」

小十郎は声を低くして言った。

「しかし、野菜は入っていたでござるよ?」
「種類がだ、種類が。なんで野菜が三種類しか無ぇんだよッ!!最低五種類は用意しとけッ!!!」
「だが真っ白殿は『最近野菜の物価が高いから、使わない時には買えない』と言ってたでござるよ?」
「チッ!なら自家栽培しろ、自家栽培ッ!」
「そんな面積、無いでござるよ。」

沈黙。

「とりあえず、昨日言っていた要望には『野菜を作る畑』を、付けとなきゃいけねぇな。」
「あぁ、久々に小十郎の作った野菜が食べたくなったな……。」
「光栄でございます、政宗様。」
「ちょっと、話がズレてきてるよ。」

佐助が話を戻す。
小十郎が咳を一つする。

「つまりは、だ。誰か食材買ってこいって事だ。」
「必然的に幸村だな。」
「そうなるな。我らは此処の地理に疎い。」
「だが、こいつ一人となると・・・」
「滅茶苦茶不安なんで、俺が付いてっていいですか?」
「当然だ。」
「ま、妥当な所だな。」
「主従関係であるのだから行けばよかろう。」
「そうだぜ。あいつの事は任せろや。」

「・・・なんで、某は こんなに信用がないのだ?」
「旦那、一人で 買い物とか食材売ってる場所まで、行ける?」
「無理でござるッ!!!」
「(ほら ね・・・)」


そこなんだよ。



年齢なんて知らねぇぇ!!!\(^q^)/

[*前へ][次へ#]

67/122ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!