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58.説明→Not 否定
「・・・えーっと、何か、質問 は?今無いなら明日受け答えするし・・・ 今は正直言って、眠い。」
「Hey, Can I ask you?」
「えーっと、ah,I can't control me any more.Yes,yes.Please ask me as you have satisfaction.」

筆記では無く、口頭でここまでこうもすらすらに言えるようになったのは、流石と言うか 隊長達のお陰だと思う。

「..Oh,I see. とりあえず事情は分かったぜ。で、俺達はどうすればほしいってんだ?それとも、出て行った方がいいのか?」
「この場で行き先のある者、挙手しなさい。」

無し。

「後、この後に付け加えて、更に一つ。今は深夜だったから良かったものの、その格好で日中出歩かれては確実に警官行きになります。警察行き。どっかーン。ポイ。」
「あん?んなの 蹴散らせばいいじゃねえか。」
「どっかーン。そして貴方は指名手配犯に。貴方の世界に帰る手段が無くなります。」
「!!」

一斉に彼らが反応した。

「警官ぶっ殺して務所行き免れて逃げられたもののいいものの、裏の世界にお邪魔しなくちゃいけない。裏の世界に隠さなきゃやってけない。裏に入ったらそれでこそ終わりさ。終わりが来るまで付き合わなきゃいけないさ。抜け出すのはやっとこそいさ面倒くさい。
後、情報料も高い。」

全員の視線が私に向かっている中、軽く溜息を吐く。
注目されることは、あまり好きではない。

「幸村さんにも言ったけど、幸村さんや 貴方達がこちらへ来た理由を、今 調べています。」
「どうやってだ。」

仮名、オクラさんが尋いてくる。

「色々と、ね。普段だったら金の掛かる所を私一人が負い受けて貴方達が帰る手段を探している。」
「それ、無料でなの?」

忍者さんが尋いてくる。

「いいや。色々とやって貰うよ。家探しとか。」
「!!? 真っ白殿、某、何も聞いてないでござるよッ!!?!」
「うん、そりゃそうだもの。今決めた。と言うわけで、家に必要な物とか要望のある者、明日言うことー。明日までの宿題ねー。」
「宿題かよッ!」
「ちょいと待ちな。アンタに聞きてぇ事がある。」

鬼さんが突っ込んだ後に、ヤーさんが私に尋いてきた。

「さっき、政宗様のあだ名考えた時に、『伊達政宗様を奉る』っつーってたよな。」
「・・・うん。」

なんだ?政宗様に『青ダヌキ』とあだ名付けたのがまずかったのか?お、お叱りは痛いのでは無いのでお願いします。

「そいつはどう言う事だ。アンタの言葉を借りりゃ・・・俺達は、“俺達の未来の世界”に来た、と取りゃいいのか。」

その言葉に、全員振り向く。幸村さんが、「真か?」と言う目で私を見てくる。まぁ、考えて考えに考えてよっちゃぁ、なんだけど、ねぇ・・・。

「・・・多分、“似ても似つかぬ世界”・・。」
「? 似ても似つかぬ世界だと?」

ヤーさんが眉を顰めて聞き返した。

「まぁ・・・これは憶測と幸村さんの情報、私が知ってる限りの歴史的背景と事実から、なんだけど。」

と一区切りして、深呼吸をする。


「まず、幸村さんが最初に来た時の服装。史実に載る絵や平安時代からの文化、そしてその間に来るまでに著しい歴史的文化の変化が無かった事から、彼は私達の知っている歴史的人物ではないと判定。更に、ライダージャケットと言う、私達の歴史ではかなり有り得ない服装もしていた。あぁ、今の貴方達の服装もね。言うなれば、日本文化の着物に私達現代人の服装の文化を取り込んだ感じの服装。更に、武器の装着。彼の装備していた武器は槍。そしてその槍は、私達が架空を舞台とした架空の遊戯に出てくる武器と同等。この事から、更に私達の知る歴史ではないと判定。そして、 幸村さんには悪いけど 、史実と照らし合わせる限り、幸村さんがその年齢に達する頃には既に武田信玄と言う方は没している。」
「!」

幸村さんが大きく目を見開いた。

「そして幸村さんの話を聞いている限り、幸村さんがお館様の次に最も信頼を寄せているのが猿飛佐助と言う方と推定。史実では頼りになる右腕は海野六郎・・・ もう、彼の人格を否定する様な事を言いたくないので、これでお終いでいいですか?まぁ、これはあくまで私達の世界の中のストーリー。今、私の前にいる幸村さんとは別人物です。」
「だね。」
「えぇ。」
「ところで、俺様のは?」
「・・・えぇっと、幸村さんと出会ったのは、どこかの峠で、幸村さんに見出されて部下になった、と。」
「だって、旦那。なら、益々違うじゃん。」
「そ、そうではあるが・・・。」
「 幸村さん。」

無駄な感傷だと思うが、私は蹲る幸村さんの前に膝着く。殴られるかなぁ、と思ったけど、彼は信じられなさそうな眼で私を見るだけだ。
一息吐く。

「私が言ったのは、あくまで幸村さんの話と私達の史実を比べた結果でありまして、別に私は幸村さんを否定しているわけじゃありません。それに、否定してたらあぁいう態度 取りませんってーの。」
「!!! そ、そうであったなッ!!」

幸村さんはガバッと体を起こして私の手を握る。忍の人が驚いた顔で見ていた。

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