57.説明 がらがらーっと音を立ててホワイトボードを持ってくる。いざと言う時の為に買っといて良かった。あまり使ってないが。まぁ、中古からただで貰ったも同然だしなー。 がらがらとボードを引きずると、椅子に座るグループが決まったのらしい。 幸村さんと、青い人と、緑の人。その後ろにそれぞれ、迷彩柄(佐助さんだと思うが、今はまだ自己紹介していないのだから、まだ止めよう) 、ヤーさん。半裸の人。先程のヤーさんの言葉は、主人に荒波が来ないようにと思って放った言葉としとこう。立場が違えば、私だってそうした。 ホワイトボードを私が座るソファの後ろに置いて、彼らに向かい合うようにソファに座る。やべ、眠気が。 「とりあえず、被っている方、外していいですよ。蒸れるし。それに、此処から槍が天井から降ってくるって事はないから。」 素っ気なくそう言い放つと、幸村さんが「そうでござるよ!」と言って、二人に兜を外すように促した。幸村さんの言葉もあって二人は兜を外した。 ふと思う。私、美少年を求めて拾ったわけじゃないよね?軽く(自分に)疑心暗鬼になりながら、彼らに説明を始める。マジ眠ぃ。 「さて、まず最初に、自己紹介します。××真っ白です。自己紹介するなら、どうぞ。もししなければ、私の中で 貴方達にとって 不名誉な称号がついてしまうかもしれません。」 「はいはーい。その不名誉な称号って、どんなのですかー?」 幸村さんの後ろにいるオレンジ色の髪の人が答える。うん、いい質問だ。 「えぇ、っとですねー。」 とりあえず、指さして答える事にする。 「幸村さんは幸村さんとしてー、幸村さんの後ろにいる人が『忍者ハットリ君』、そこの青い人が『青ダヌキ』、その後ろが『ヤーさん』で、その緑色の人が『オクラ(仮名)』、その後ろが『半裸さん』。 あ、因みにこれが忍者ハットリ君ね。」 と、カウンセリング用にある絵を一枚ピラッと見せる。 「ちょっと!俺様こんなのじゃないよ!!?!何、この丸っ鼻に点々目にぐるぐるナルトッ!!!それに徳川の草じゃ無ぇしッッ!!!!」 「だって、忍者だし・・・。」 「おい、何で俺が狸なんだよ、た・ぬ・き! dragonっつーcoolなnameがあんだろぉがぁッ!!!!」 「いや、だって・・・その服装見ると、 『青いダルマ→伊達政宗様を奉ったダルマ→青い→青いと言えば青狸→青狸と言えば未来からやってきた超高性能ロぉボット→超高性能ロボットと言えば狸→狸と言えば青ダヌキ→青ダヌキと言えばどぉらえもぉん→どぉらぁえもんと言えば高性能→欠しにならないからいっか』 ってな理由で、青ダヌキ・・。」 「チッ・・・青ダヌキと言うのが気に入らねぇ・・・dragonにしやがれッ!!DRAGONだっ!!!」 「それ、本名?」 「違ぇよッ!!!」 「おい、何故我がオクラなのだ。こいつは乳首でいいが。」 「おい。」 「いや、帽子からだけど。じゃぁ、お狐様。」 「何故我が狐なのだ。」 「いや、狐って、人の裏を掻い潜って策謀高い知略を練るから、さ。それで。」 「・・・・・フン。それでよかろう。」 「え、狐なの?」 「戯けッ!!!」 「ねぇ・・・ぶっちゃけアンタ、俺達の本名知りたいだけでしょ?」 「うん。」 オレンジ色の髪の人が、「やっぱり」的な顔をした。 ちくしょー。だって、だってさー。 「お世話になるかもしれないしね。」 「へ、お世話?」 「うん、幸村さんのように。」 「? 某の様に、でござるか?」 「うん、そう。」 「え?何何、何それ。ちょ、意味が分からないんだけど。」 オレンジ色の髪の人が如何にも「意味分かんない」ってな顔で私を見る。だって、だってねぇ。 「此処、貴方達の場所と違うから。」 ガツーン、と、大きな落石が彼らの頭の上に落ちた様な気がする。 「幸村さんの時は大変だったけど、貴方達は分かりやすそうだったから、良かった。正直眠いし。」 彼らの中である疑問が生えたのを分かった。 余計な誤解を生みたくない。 「それと、もう一つ。私がそのような、他人を別の場所へ移すような能力を持っているのなら、貴方達をこんな場所へ呼んだりしない。呼ぶとしたら、部屋だし、何より こんなに人口密度の高くなる家でこんなに呼んだりしない。」 一気に人口密度の高くなった部屋を見渡す。私、人口密度の高い部屋は苦手なんだよね・・・。 「それに、私がそんな事できるとしたら、標的は私だ。」 彼らを呼べる位なら、万が一の可能性に掛けて、私は私自身をあの場所に飛ばす、と言う意味を込めて、私はそう発言した。 彼らはポカーンとしていた。 ・・・とりあえず、私の服装は 着物じゃないよ? [*前へ][次へ#] [戻る] |