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53.お持ち帰り
「幸村さん・・・なんで 私・・・こんな仕事、引き受けちゃったんだろ・・・。こんな育成ゲー、どうやって攻略しろってーの?どうやってレベル88まで上げればいいの?キャラの表情・言葉から、どうやって見ればいいの?イベはどうやって?!こんな最初っから嫌われているキャラはどうやって攻略すりゃいいんだよッ!!!攻略方法書いてねぇしさぁァァぁああああああッッッッッ!!!!!!!!!!!」
「真っ白殿ッ!!落ち着くでござるッ!!きっと気が滅入ってるのでござるよッ!!そ、そうだッ!某、アイスが食べたいでござるッ!!少し、こんびに とやらまで夜歩きに行かぬかッ!?そうすれば、きっと 真っ白殿の気も落ち着くでござるッ!!!!!!」
「・・・そうだねぇ・・・。どうせ、これ・・・フリゲだし。感想書いてポイッしちゃえばいいよね・・・。」
「真っ白殿ッ!!そのような事はいけぬと思いますぞッ!!!」
「いや、そりゃそうだけど・・・そりゃ、自分でも分かってますが・・・でも、でもね・・・・・・もううんざりです。」
「!!! 真っ白殿ッ!!しっかりするでござるッ!!そのような生気のない目をしてはいけないでござるッ!!地獄からの使いが来るでござるよッ!!!!」
「・・・地獄の使いが、これ攻略してくれりゃぁなぁ・・・。」
「真っ白殿ッ!!!」

気をしっかりッ!!と言う幸村さんの声が聞こえる。
赤いノートパソコンに向かい続ける事、十時間。仕事としてやってきた攻略に、わたくし真っ白は立ち向かえません。

「真っ白殿ッ!!段々頭が可笑しい人になってきてるでござるよッ!!?!」
「・・・あぁ、そりゃぁ・・・・・・ちょっと、駄目だね。」
「真っ白殿、しっかりッ!!」

幸村さんが私の顔を両手でしっかりと包んで呼びかけるけど、長時間 パソコンから放たれる電磁波に打たれっぱなしで頭がぼーっとして、何も言えない。
幸村さんは何かを思いつめたように、ばっと私の頬から手を放して寝室へと消えた。
そのまま私は机の上に落ちて、一時の休息をとる。寝る。もう、感想これでいいです・・・。
しばらくすると、腕を掴まれて立ち上がらせられた感覚がして、目を開ける。
幸村さんが何時の間にか財布の入ったカバンを手に持っている。

「さぁ、真っ白殿ッ!!今から こんびに へ行くでござるよッ!!!」

真っ白殿の気分転換の為にッ!と幸村さんは張り切っているが、あぁ、そうなのね。私には裏返し権は無いのですか、拒否権。



深夜のコンビニ行ってガリガリ君二本買って、幸村さんと半分こして家へ帰った。

「このガリガリ君とやら、溶けやすいでござるな。」
「うん・・・。」
「真っ白殿、気は大丈夫でござるか?」
「・・・うん・・・。」

ずーっと、頭がぼけーっとしている私の代わりに、幸村さんがコンビニのレジをしてくれた、じゃなくて私の代わりに代金を払ってくれた。すごくうれしいです。幸村さんの成長見れた感じで。

「幸村さん、せいちょーしたねー。」
「真っ白殿、目が虚ろでござるよ。」
「うん。もう帰ったら即寝るね。」
「安心して下され。もう既に寝具の用意はしてあるでござる。」
「うん、ありがとう。」

ガリガリ君二本のゴミしか入ってないスーパー袋を片手にぶらぶらさせながら、ふと先の電柱柱に目を伸ばす。
電柱柱の下には、オレンジ髪の迷彩柄や青い服やお、オーバー丸出し?あ、オールバックに頬に傷のある人達が見える。あ、また拾いもの?と思う前に、幸村さんが「佐助・・・?それに、政宗殿・・・?」と呟いたので、彼の知り合いに間違いないようだ。

とりあえず、お持ち帰り決定だ。


「幸村さん、そっち二人持ってくれない?私、こっちの軽そうなの持つから。」
「分かったでござるッ!佐助と片倉殿は某に任せて下されッ!」


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あきゅろす。
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