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5.追加メニューを考える
「ごめん、足りなかった?」
「え?!」

そう尋ねると、目の前の人物の目は輝いた。
しかし、しゅんとなって「い、いや!某は十分満腹になった!!!」と言った。しかし、腹の音はなっている。
彼はかっと顔を赤くして顔を俯かせた。
なんだ、この可愛い生き物は。

もしかして、これが流行りの癒し系ってやつかなぁ と思いながら席を立つ。

「ごめん、今追加をつくるからね。足りなかったでしょ?」

目の前の人物のお碗を下げて自分のと重ねる。
「いやいや!大丈夫でござるよ!?!」と彼は慌てて弁解するが、身体は正直である。腹の音がぐぅぐぅと空腹を訴えている。

「いやいや。本当、正直だよ。」
「あ、うぅ・・・・・・。」

「か、かたじけない・・・」と彼は赤くなりながら小声でそう呟いた。

さて、何を作ろうか。即席で作っても・・・いや。うどんがあるじゃないか。
ソースもある。ネギもある。小松菜もある。玉ねぎもある。
しかし問題は量だ。たしかうどんは今日までだったはず。煮れば問題ない。焼けば問題ない。そもそも賞味期限は゛味の保証゛の問題であって、食物本来の問題に関する起源ではない。明日食べても大丈夫だ。が、明日食べる気はない。

てっとり早くうどんを消耗したい。っつーか無くしたい。
食べたくなったら閉店ぎりぎりまで生協に行って買ってくればいい。Aコープでも可能だ。
確か、広告で「おひとり様二つまで!」と四人分のうどんを二つ買った。そして、この二週間で一袋と一玉使った。
残る、三つ。三玉。残り三人分だ。


・・・。


しばらく考えた。


「・・・・・・たくさん、食べれる?」
「!もちろんでござる!!!!!!」


パッと目を輝かせて挙手した彼に最大の敬意と感謝を贈りたくなった。

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