40.なれて 朝起きたらまだ深夜のテンションが続いてました。腹の上に幸村さんが乗ってました。頭 正確には頭。そして私が上半身起こした為幸村さんの頭は私の足の上にある。めっちゃ涎垂らして幸せそうな顔して寝てます、この子。そして不思議な事に浴衣着崩れて無い。まぁ、不思議。ほんと羨ましいわこのやろー。 深夜のテンションに引き続きお腹が減った。あーお腹減った。何食べよ、今日。今日何食べよ、朝ごはん。 とチラリと時計を見る。十二時。わぁお、もうお昼の御飯だよ。幸村さんも起きないので 二度寝することにした。 「真っ白殿、真っ白殿 」 体が何かで揺り動かされる感じがする。 声で幸村さんと分かった。とりあえず起きる。 「・・・おはよう。」 「おはようでござる。」 中々いい笑顔で幸村さんが挨拶した。 「えぇと、今は・・・。」 「11を指しているでござる。」 「・・・え?」 カーテンをばっと開けて外を見る。空は晴天だ。 「・・・あれ。」 「真っ白殿、いかがした?」 「いや・・・幸村さん、どこの時計で?」 「あれでござる。」 幸村さんが客間の時計を指さす。・・・一度客間へ行ったのだろうか。お客さんが来てなかったら良いが。 とりあえず携帯で時刻を確認する。サイドボタンを押すと機械音で時間を知らせた。幸村さんが吃驚していたが、後で教えることにしよう。 「・・・ごはんの準備・・・する、か。」 「手伝おうか?」 「ん、後で。とりあえず顔、洗おう。」 「あ、某は洗ったでござる。」 「 そっか。」 ここへ来て五日あまり。ここの勝手を分かってくれたようだ。あと、この世界の常識もほんの少し。そういや仕事、ぎりぎりで終わったな・・・。 そんなくだらないことを思いながら洗顔を終える。歯磨きをする。洗面所を出る。 「真っ白殿?終わったのでござるか?」 幸村さんは朝のトレーニングをしている。と言っても筋トレだが。・・・今度アスレチックかどこかへ連れて行ってあげよう。 「んー?朝食の準備。」 と言っても昼食になるが。 「そうでござるか。」 幸村さんは私の口に咥えられた歯ブラシをじっと見る。 「冷蔵庫の中身を見るだけだから。」 「そうでござるか。」 そう言って幸村さんは筋トレを再開する。そりゃ 誰だって唾液のついた手で食材触ってほしくないさ。・・・いや、私の手は唾液ついてないから。清潔だから。 寝室を出て客間へ出て台所へ向かう。ちらりと玄関を見る。看板が掛けてあった。幸村さんが掛けてくれたのであろうか。確か昨日は出さなかったはずだ。休業中の看板。 冷蔵庫を開いて中身を確認する。豆腐メインで。私は豆腐で作ったネコまんま で幸村さんは別の。 昼食のメニューが決まり、洗面所へ向かい口を洗う。 後ろ髪が長いのでパッチンで留める。首元が涼しくなった。 「真っ白殿、手伝おうか?」 「ん、そうしてもらおうかな。」 台所に立つと幸村さんが手伝いを申し出た。先日の約束を果たすことも兼ねて、私達は昼食作りを始めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |