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32.道中1
幸村さんの手を引っ張って行くのは、中々キツかった。

「真っ白殿!あれ!!さっきの塊は何でござるか?!!びゅんびゅん走ってるでござる!!たくさんあるでござる!!!!!」
「あぁ、あれね、車。鉄から出来た塊の車だよー。」
「何ッ?!鉄の塊だと言うのにあんなに早く走るのか?!あれはどうやって走っておられるのだ?中に人が入っておられるのか・・・?だとしたら、なんていう足の速い人足だ・・・!」
「や、そうじゃないから。」
「なにっ?!じゃぁ、なんだと言うのだ。」
「タービンって言う歯車みたいなのがガソリン燃やした水蒸気で回ってそれでタイヤ四つ回して速く動いてんの。」
「・・・たーびん?がそりん・・・たいや?」
「んー・・・科学の賜、でも言っとこう。」
「かがくのたまもの、でござるか・・・。」

・・・。

確か家に広和辞典とか百科事典あったっけなぁ・・・。
・・・うん、近い内に買っておこう。
幸村さんの説明に大分限界を感じながら私はそう思った。に、しても。幸村さんが興味深々にあっちへ行ったりこっちへ行ったりするお陰で、中々先に進まない。と言うか、犬の散歩を思い出しちゃったじゃないか。これがリーチで幸村さんが犬。完璧この方程式に当てはまるじゃないか、自分。
ちなみに周りの目が何だか痛い。よし、言い訳完璧考えたぞ。「すみません、この子、どこかの御曹司なんです。」はい、これで大抵の事スルーできるー。

「真っ白殿、あの・・・黄色から赤に変わったものはなんでござるか!?あ、あの赤のやつも!」
「あぁ。あれはね、信号機っていうの。赤は止まれ。黄は気を付けて進め。青は突っ走れって意味。」
「つ、突っ走れでござるか・・・ッ!」
「うん。だけど今のは只の表現だからね、本当に突っ走らなくていいから。急いでいる時以外走らなくていいから。で、あれは歩行者専用の信号機。赤は止まれで歩くなで、青は進めって意味。・・・お、青になった。いこ。」
「御意!」

信号機を渡る。

「真っ白殿!」
「ん、何?」

幸村さんが下を向いて尋ねる。

「この白いのはどのような意味があるでござるか?後、なぜ地面はこのように黒くて固いのだ?」
「あぁ、それは・・・サンゴ礁を砕いてどろどろの液状にして地面全部にまいて日光に当てて固くしたせいだよ。その白いのは横断歩道。車が走る道に対して、その道の中で通れる歩行者 私達が通れる道、かな。」
「真っ白殿!しかし、あやつは おうだんほどお とやらを通ってないでござるよ!!」
「おぉ・・・あんな交通量で通るとは・・・余程の命知らずなんだなぁ・・・。」
「命知らずでござるか・・・ッ!」
「・・・うん。」
「余程の使い手であろうか・・・ッ!!!?!」
「うん、それは違うね。幸村さん、そう言う命知らずじゃない。後、私達一般人は幸村さんみたいに槍使えないからね。」
「なにっ?!」
「あ、ん・・・これもまた、家帰ってから話すね 」

最初の目的地まで そんな会話をしながら歩いていった。

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あきゅろす。
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