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27.事故です
幸村さんの朝早い発言に内心ぎょっとしながら幸村さんに着方を教える。とりあえず実践しながら教えると幸村さんが「破廉恥でござるぅう!」と叫ぶ事は目に見えてたので、一度私が着る真似をしてから幸村さんにしてもらう事にした。・・・全ての防具を外してから。幸村さんの防具を手ごろな場所――押入れ――に隠す時に感じた事だが、幸村さん・・・よくあんな硬い胸当てをしたまま寝れたな・・・。

「幸村さん、着れましたか?」
「ちょ、ちょっと待ってほしいでござる・・・ 」

幸村さんが私の後ろでごそごそする音が聞こえる。
一応言っておくが、私は幸村さんに背を向けて座っている。そしてカーテンが破れた為に窓際では無くて洋服箪笥がある側で着替えてもらっている。
ちなみに言っておくが、私の正面は押入れである。

「幸村さん、出来た?」
「も、もう少しでござる・・・。」

かちゃかちゃと金具の音が聞こえる。
・・・まさか、穿き方が分からないとでも言うのでは・・・。そう言えば、ズボンの穿き方は実践してなかったな・・・(理由はかさばるから)

「幸村さん、穿けれますか?」

ならば教えなければ、と思って振り向いたのが悪かったのかな。そういや今日の朝の占い見てないや。今日、何位だったのかなぁ?

幸村さんの方を振り向いていると、袴を脱ぎ捨ててズボンと格闘している幸村さんが見えた。
ズボンは膝小僧まで上げられている。全体で見たのが悪かったのかな。だけど至近距離じゃないんだぜ?いや、至近距離の方が余計性質が悪かったのかも。
人間下からものを見たら上へと視線を移すのが自然だと言ってもらいたい。いや、絶対に言ってもらいたい。

幸村さんの引き締まったお尻が見えた。
こんな解説している自分を殺したくなった。いますぐ死にたくなった。いや、誰か後ろから殺してくれぇ。
後、赤でした。あ、褌派でしたのね、褌、褌、ふんど・・・


「ごごごごごごごごめんなさぁぁぁぁああぁああいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッッッッ!!!!!!!!!!!」
「ははははははははは破廉恥でござるぅぅぅぅうぅぅうううぅぅうぅぅ!!!!!!!!!」


私と幸村さんがお互いに叫び、お互いにとりすぎる程の距離をとり、どんっと鈍い音が部屋に響いたのは、気のせいではないはずだ。






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