19.自サイトは白に傾向があります 「・・・真っ白殿・・・?」 ぽつりと幸村さんが呟いたのを聞いた。後から控えめにノックしてきたと言うオプション付きで。 ・・・あぁ、忘れてた。私、扉の前で俯いてたんだ。鬱だったんだ。足を抱えて体育座りしてたんだ。 ぎぃと扉を開く。 幸村さんの腹筋が目に入ったが、今は彼の顔を見れない。 あは、ご近所さまに幸村さんの存在をフォローする手立ては無くなったからいいけどさぁ、さぁ、さぁ! ・・・後、どーしよ。 「真っ白殿・・・?」と、また幸村さんが尋ねてきた。 「本当ッ!ごめんッッ!!!!」 私は平身低頭で謝る。 「ごめんッ!いい言い訳思いつかなかった!本当、ごめん!! こっちに付き合ってもらう事になるかもしんない・・・。」 「な、何を言っているでござるか?!元はと言えば某の所為、某が大声を出してしまった所為でござろうッ?!!」 「いや・・・先に教えなかったこっちも悪い・・・おあいこだ・・・。とりあえず謝っとく。ごめん。」 「真っ白殿・・・っ!とにかく顔を上げて下され!!真っ白殿は何も悪くないでござるッッ!!!!」 幸村さんの足と腹が後ろへ退がり、代わりに視界に幸村さんの手がちらほらと見える。 様子が可笑しいと感じて顔を上げる。 幸村さんが泣きそうな顔で心配そうに私を見ていた。 「真っ白殿は悪くないでござるッ!!悪いのは某の身であるッ!!!」 「え、あぁ、うん・・・」 「某が真っ白殿と付き合うのならば何も問題もないでござるッ!!!」 「うん、付き合うって言うのは・・・一芝居打つのに協力してくれることだけど・・・。」 「演じる?!そんなのお安い御用でござる!!!真っ白殿にお世話になった身、なんでもするでござるよッ!!!!!!」 なんだろ、この健気な姿勢に、私、涙が出そうになるよ。 「うん、ありがとう・・・。」 「真っ白殿ッ?!ど、どうしたでござるかっ・・・?!?!」 「や・・・こういうの、慣れてなくてさ・・・。」 「真っ白殿・・・?」 「ん、ありがとう。幸村。今度頼むや。」 「!!」 あ、また呼び捨てしてしまった。 なんだか分からんが、たまにさん付けとか敬称忘れて呼び捨てにする時があるんだよな・・・なんでだよ。 感謝した気持ちは本当なのに・・・。 幸村さんが顔を赤くしてそっぽを向いてたので「どうしたのですか?」と聞いたら、「な、なんでもないでござるッ!!!」と大声で返された。 (あ、そういや手で口元を押さえてたな。) この幸村ver.を書いたら(腹)黒幸村が出てくるな\(^o^)/ [*前へ][次へ#] [戻る] |