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17.おばさま達ほど恐ろしいものは無い
「そう言えば、真っ白殿・・・。」
「ん、何?幸村さん。」

ようやく泣き終えた幸村さんは最後に(してほしい)右腕で目を擦ってから私に質問を投げかけた。

「真っ白殿は、どうして袴を着ていたのでござるか?」
「え 」
「袴は成人男児が着るものでござる。なぜ女人である真っ白殿が着ていらしたのだ?」

と幸村さんは不思議そうな目で私を見る。
まぁ、うん。どうなんだろ。と言うより、幸村さんのところではどういうのだろ。風習とか習慣とか。
まぁいいや。そう言うことは明日聞こう、明日。今日はもう遅い。
一捻りして考え、答える。

「えぇと・・・私達のところでは、フリーダム、なんかな?」
「ふりぃだむぅ?」
「うん。『自由』の名詞形。ぶっちゃけ何着ても自由なんだよ、私達のところでは。」
「?なに 着ても?」
「ん・・、まぁ・・・女なら袴、男なら着物着てもいいという、感じかなぁ・・・。」
「着物、でござるか?」
「うん。女物。」
「なんと?!!」
「あぁ、ネタとか・・・うん、そういう系で、ね・・・。」
「ねた?そういうけい、で・・・ござる、か?」
「あ、分からないならいいよ。まぁ、砕けて言えば・・・新年会で一発芸として出すアレ的なノリで。」
「新年会・・・おぉ!新年の始めを祝うあれでござるな!!!そう言えば・・・将や兵の何人かが酒に酔っ払って裸になったり踊ったりしていたような気が・・・。」
「うん。そんな感じ。」

あ、どこ言っても人間変わらないんだ。人間の本質。

「そうか・・・真っ白殿のところは、色々な方がおられるのだな・・・。」
「ん、そんな感じ。幸村さんところは?」
「某のところか・・・。」

と、幸村さんは唇に指を持っていって考え始めた。
幸村さんが考えている隙に壁にかかっている時計を見る。・・・何時も通りに帰ってから一時間経っている。
ベットの傍に置いてある時計を見る。さっきのより三分オーバーだ。
・・・。
ふと、今日寝るであろう就寝時間について考える。
あ、と幸村さんが声を出したのでそちらの方を見る。

「佐助と親方様がいたでござる。」
「さすけさんと、おやかたさま、ね。」
「そうでござる。佐助と親方様。佐助は武田軍の忍の長でな、佐助の友に褒められるほど物凄い働きをしておられるのだ!!」
「うん、うん。」

武田軍、ね。それにしても佐助、って言う人凄いなぁ。友に褒められるって、余程頑張ってるんだ。

「それで、親方様であられるがな!」
「う、うん。」

ん、なんか熱の入った言葉になってないか?

「素晴らしく偉大なお方であられるのだ!!!」
「う、うん。」

あ、あれ?な、なんか・・・声の調子も・・・・・・大きくなっているよーなぁ・・・?

「親方様こそ我が人生の師!!そして天下を統一すべき御人であられるッッ!!!親方様の熱い心と大きい器・・・そしてこの若輩者である自分を叱ってくれる器の大きさ!!!更に戦局を冷静に見渡し策を練り日々某を鍛えてくれ・・・ぅぉぉぉぉぉぉぉおぉおおおお親方さぁぁぁあまぁぁぁああああああああああああ」

ドンドンドン!!!!

「はぁい!!!すっみませぇぇぇええん!!!!!!!!!」


危うく近所のおばちゃん達が乱入しそうになった。



すまん。幸村の親方様自慢トーク、こんなのだったか自信ない。

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