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110. くるま
朝九時出発と言った本人である以上、なんとか二時間前に起きて 朝食と昼食の準備をしようとした。そしたら既に こじゅさんが起きていて 朝と昼の準備をしていた。

そんな回想を背景に、今 私達は車の中にいます。

「・・・僕、脱走以来 大型車運転するの久しぶりなんだけどー。」
「頼む、事故らないでくれ。頼む。今は殺人級の運転技術望んでないから。」
「うん、分かってる。」

白髪頭 ケイゴは運転に集中しながら会話をする。後ろでは幸村さん達が楽しそうにはしゃいでいた。

「これ、レンタル いくら位かかったか知ってる?」
「・・・高かった、んでしょーねぇ…。」
「うん。これでチャラだから。次は無いと思ってね。」
「・・・さいで。」
「お二人さん、楽しそぉだなぁ。」
「えぇ、そうですね。私の運転の邪魔になりますので 速やかにそこからお退き下さい。」
「・・・何でぇ。」
「ごめん、チカさん。こう言うのだから。」

横でケイゴが笑った気がしたが 気にしない事にした。

「真っ白殿、真っ白殿ッ!今 奇妙な犬を連れた者がいたでござるよ!!!!」
「うん、ごめんね。見てないから どう説明すればいいのか分からない。」
「はいはい。アンタも殺されたくなかったら黙って静かにしていて下さいねー。」
「ケイゴ、キレるなッ!」
「え。アンタ・・・うちの旦那に何かするつもり?」
「佐助さんもはっぱを掛けないでっ!!ほんと、この子ちゃんと言い聞かせれば良い子だからッ!そう 滅多むったに殺らない人だからッ!!!」
「(むった…?)僕、良い子じゃないし。言い聞かせられてないし。」
「ごめん!言い方が悪かったッ!とにかく 佐助さん!私がいる以上大丈夫だからっ!幸村さん達には指一本触れさせないからっ!!!」
「・・・なら いいけど。」
「ほら、ケイゴも。佐助さんや幸村さん達は 私の家族なんだから、身内なんだから。そう対象にいれないでよ。」
「・・・何とか。」
「頼むよ。」
「 真っ白の頼みなら仕方が無い。善処する。」
「! ありがとうっ!」
「・・・。」
「・・・さて、後どの位ですか?ケイゴさん。」
「私の名前を気安く呼ばないでくださーい。今から魔の運転に入りまーす。」
「え。」
「まさか・・・」

と私が言い終える間も無く、信号無視宜しく車線無視宜しく乱れ走行宜しく 国土交通法無視宜しくの ハリウッドや るっぱーん の逃走劇よろしくの運転技術でケイゴは車をガコンゴトンと揺らしながら運転し始めた。

「!!!」
「お、おい!毛利ッ!!大丈夫かッ!!?!酔ってねぇかっ!!?!後もう少しの辛抱だッ!!我慢しろッ!!!!」
「わ、我が酔ってなどッ…!!!」
「佐助、凄いぞッ!ぐわんぐわんと揺れておるぞっ!!!」
「はいはいはいはーい!!!旦那、しばらく静かにしよぉねえ!!!!!」
「政宗様ッ!そちらに向かっては危険でございますッ!! ここは しぃとべると やらをして下されッ!!!!!」
「Lateだぜッ!小十郎ッ!!!!!」
「お前ッ、殺人的運転技術はいいって 言っただろぉがぁぁあああッッッッッ!!!!!!!!!!」
「僕、誰も殺してないからセーフですー。」

若干一名の被害者を出しながらも 私達は目的地に着いた。


「頼むから 帰りはこう言う事無しにしてくれッ!!!疲れるからッ!!!」
「じゃ、今度寄った時に一本奢って。」
「奢るからっ!無しにしてッ!!!」
「(ニタリ)やった。分かった。」
「うん・・・。」

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あきゅろす。
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