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103. ふどうやさんへ
「よし、これとこれがあるから・・・」
「Hey, 真っ白。大事な物を忘れてるぜ。」
「え、印鑑?や、確か入ってる筈・・・」
「馬鹿め。これだ、これ。」
「あ、ごめん なりさん。ありがとう。」
「ふ、ふんっ!」
「じゃ、気ぃ付けて行けよ?・・・ま、右目と武田んとこがいるから大丈夫だと思うがよ。」
「え、何それ。私だって自分の身位守れますよ。」
「安心しな。真っ白には指一本触れさせやしねぇよ。」
「そーそ。真っ白ちゃんに触ろうとした輩がいれば、俺様一撃で殺るから。」
「あ、ちょ ちょっと。だから自分でやれるって。自分で自分の身位守れるって。あと、いざと言う時は主君を優先しなよ。」
「・・・」
「え、だ 黙るの。」
「いや、何でもねぇ。いざとなりゃぁ、政宗様とアンタ 両方を助けりゃいいだけの話だ。」
「あ、ちょっと。主君優先でね。」
「野暮な話はNoだぜ、小十郎。惚れた女を守れねぇようだったら奥州の武士は名乗れねぇぜ。」
「ちょ、ちょっと。何話のスケールを大きくしてんの。」
「安心しろ、佐助。俺はお館様の上洛を果たすまで死ねんのだ。それに、お前に真っ白殿を残して逝けぬだろう。」
「 うん、そうね 旦那・・・じゃぁ、旦那の命令があった時に真っ白ちゃんを優先させて貰うわ。」
「 あぁ。」
「え、ちょ ちょっと二人とも・・・なんの話してんの?!!?!」
「いやぁ、四国の領土の主でよかったぜ、俺ぁ。安心しろや。鬼はなぁ、攫ったお姫様ごと 大事に保管しとくものなんだぜ?」
「あれ、かるく監禁宣言・・・って、おい。お姫様の食事はどうなるんだよ。」
「我が駒等救うに値いせん。」
「なりさんも軽く問題発言をしてるよ。」

と言うか、なんだこの会話は。何時からこんな話になった。一体どこで逸れたッ!あ、チカさんの発言からだッ!!
とりあえず、なんか意味の分からない会話が終わって 家を出る事が出来た。・・・何か、総出であぁ 見送られると・・・昔行ったところであぁ言う歓迎を受けた所を思い出す・・・。
とりあえず 佐助さんとこじゅさんに地図を渡しておいた。

「ん?何それ。」
「地図。」
「地図っつーったってよぉ・・・んな一言で分かるか。 この赤丸は何だ?」
「あ、そこが今日行く先。後ね、佐助さんとこじゅさん達の下のを買うから、今日どっか店 寄る。」
「はいはい。えーっと、じゃ まず近い所から行こっか。」
「うん。」
「次は此処だな。そん次が此処・・・」
「あ、こじゅさん。そこで政談が成立したらもう他のところ行かないから、後は此処に行くだけ。」
「うわっ。ちょっと遠いねぇー。」
「んー・・・そうかな、電車使うし。」
「電車ぁ?」
「うーんと・・・早く動く鉄の箱のでっかいバージョン。」
「・・・ははっ。それは楽しみだねぇ。」
「・・・早く動く鉄の箱、か・・・そいつは馬より早いのか?」
「うん、何倍も。」
「・・・。」
「あ、持って帰ろうとしても無駄だよ。そこじゃ 第一に石油と言う燃料が無いからね。」
「あーらら。そいつは無駄だね。」
「うん。」
「・・・第一、持って帰れる保証が有るか無いかは手前ぇだろうに。」
「え?」
「いや、何でも無ぇ。」
「(俺様にはバッチリ聞こえたんだけどな・・・)」

こじゅさんと佐助さんに挟まれて家から近い不動屋さんまで一直線に歩く。
あ、なんか お父さんとお母さんに挟まれている子供の気分を味わえてるよ、自分!



佐助が丸聞こえなのは、忍だから。

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