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温もり
桜印封無様へ/相互小説


夏休みも終わりそうな頃のある補習の時間。沖田が発した言葉。
「せんせー、みんなでプール行きやせん?」

この言葉にクラス全員が反応した。
高校生っつってもまだまだ子供、こういうイベントは逃さないとでもいうように一気にこちらに視線が集まる。


「突然だなてめぇ。」

「いやー。こんだけの人数いりゃあ割引きくかなと思いやしてねぇ。」

「そういう問題かよ…。」

この案に最初に飛びついたのは神楽。
「それいいネ!!銀ちゃん行こうヨ!!」

その次には(志村姉に参考書を投げつけられた)近藤が、
「お妙さぁん!!!是非俺と…グフぅっ…」
「ゴリラは川で水浴びでもしてなさい」

最後には桂までもが、「エリザベスも連れてっていいんですか?」と真剣に聞いてくる。


「てか!俺いかねえからおめえらだけでいけよ。」

「学校の団体割引にしてもらうんでさァ。先生いなきゃ安くなりやせん。」

「はあ??やなこった!」

「お願いアルよ銀ちゃん!高校最後の夏のビッグイベントあるよ!」

「っ…。」

確かに教師としては学校生活最後なのだからたくさん思い出を作って欲しいとは思うが、そのために俺の娯楽を潰すなんて、ありえねえ。

「よし!!じゃあ明日行きやしょう!!」

「おい!おめー何言って…。」
だが遅かった。クラスの奴らはもう明日行く気満々。

深い溜め息をつき、ああ、俺の明日の予定が。と落胆する。
せっかくの休みなんだから家でゆっくり寝てジャンプ読み直して…っていう俺の予定が!

ただ、皆がはしゃぎまくってる中、土方だけはつまらなさそうな様子だった。





次の日

予定の場所に集合。

そこは色々な種類のプールがあるテーマパークみたいなところでメンバー達は高3だというのに大はしゃぎ。
中に入り着替え終わると一目散にみんなプールに向かって行く。


「俺も泳ぐか…」と、どうせ外にいてもつまらないだけだろうから、あいつらにちょっかい出しにいこうとプールに向かおうとしたら後ろから誰かにガシリと腕を掴まれた。

一瞬びっくりしてゆっくり後ろを振り返るとすごい形相の土方。


「…土方何?」

「日焼け止め塗ったか?」
「塗ってないけど…。」

そう言うと土方はカシャカシャと日焼け止めの容器を振りそれを俺の体に塗りたくっていく。

「ひっっ!くすぐった…!」

「お前肌白いんだからよ。」

「は?」

「ほらよッ。」

背中を軽くパチンと叩かれる。

「…あ!さんきゅーな。」

訳も分からず流されて適当に礼を言う。
なんか…土方怒ってる?声がいつもより更に低い感じするな…。

「ひ…土方も一緒に行くか?」
そう、機嫌を伺いながらたずねると、意外にも「…あぁ」と承諾した土方。
何だか気まずいまま2人でプールに向かう。

何で機嫌悪いんだコイツ…。


プールのそばにつくと「先生ー!!」と沖田が声をかけてきた。
その周りには3zメンバーがちらほらと見える。


ここは流れるプールで普通に泳ぐ客より浮き輪やボートに乗りプカプカ浮いている客が多い。
水に入ると外の暑っくるしい温度に比べ予想以上に冷たかった。

「っ…/」

「おい大丈夫か?」
と心配して土方が聞いてくれる。

「ああ、そのうち慣れるから。てか、てめえらなんで平気なんだよ。」

歳の違いヨ!と神楽は笑って言う。
あ、そうかも。とか思ってしまうあたりがむなしい。


「はやく慣らしてあげるアル!くらえぇッ」と神楽が水をかけてきた。
ばしゃりと水をかぶり髪の毛まで濡れる。
隣にいた土方までもが神楽の攻撃の餌食になっていた。

「てめッ!!冷てーよ!!」

「水一回被っちゃえば平気ヨ!潜ってみるヨロシ!」

「潜るとか先生無理だから!!寒いから!!」

「しょうがないネ…これ貸してあげるヨ」

と投げてきたのはおっきな浮き輪。
2人分入れるくらいでかい。

「銀ちゃんはこれでぷかぷか浮いてるのがお似合いアル。」

毒のある言葉を吐き捨てた後、神楽はあっちのほうへ行ってしまった。

しぶしぶ浮き輪を使わせて貰う。
浮き輪とか久しぶり、なんだか懐かしい。


「あいつら元気だなー、泳いでやがる。」
笑いながら言うとその直後、いきなり寒気が走り身震いした

「お前冷たいの全然慣れないんだな」

「そうなんかな…」

外の気温はこんなに暑く、太陽がじりじりと肌に焼き付けるくらいなのに体温は低いような気がする。

すると浮き輪がひょいっと持ち上げられ余ったスペースに土方が入ってきて俺を後ろから抱きしめた。

「土方!?!?」

「寒くなくなるまでこうしてやるから。」

「おま、分かってんの?ここ人めちゃくちゃいんだろ!」

ここは都内でも結構人気のプール施設。人の数は多い。
しかももし3zメンバーに見られたりしたら…。

「気にすんな。」

そんな事言われても周りの目が気になる…、顔を俯き恥ずかしさにこらえる。


だけど土方のあったかい体温が伝わってきて。
肩に顎をのせられ息づかいが耳元で聞こえるとそんな事どうでもよくなってきて、いつまでもこうしていたいと思いはじめた。


「あったけえ。」

土方はすっと耳を甘噛みして首もとに赤い華を散らす。

「ぃっ…!おいッ…こんなとこで!」


「俺さ、お前のキレーな体、他の奴らに見られんのヤなんだよ」


「?」


土方からふって来た言葉は予想外なものだった。


「だから機嫌悪かったワケ、ごめんな…。」



なんだ。そうなんだ…。
他の事で怒ってたとかじゃないんだ。
よかった…。

…って!何オレ乙女モードオオ!?
別にあいつ怒っててもどうでもいいし!


俯いていた顔を更に俯けると「おい、銀八?」と土方が異変に気づき声をかける





「…土方…、好き」




そう言うと土方は驚いたような顔をした後、ふと優しい笑顔になってこれでもかってくらいに抱きしめてくれた…。




あったかい

溶けてしまいそうなくらいに




体も顔も心も火照ってる



「銀八?どした?」

「…熱い」


「お前さっきまでさみぃっつってたのにな。」
笑いながら土方は言う

「う、うるせ!!!誰がこうさせたと思ってんだよ。」

「じゃ、そろそろ俺でるか…。」

土方が出ようとした瞬間俺は本能のまま土方の腕を掴んだ。

「も…もーちょい…。」

体と口は他の事を言っていたけど、やっぱ自分の気持ちには嘘をつけなかった

今、俺顔真っ赤だろうな


「いーぜ…。」

その言葉の通りまたギュって抱きしめてくれる。

ふっと顔を土方の方に向けると熱いキス…。
そしてまた抱きしめられる。




どのくらいの時間がたったんだろう、「せんせー」と何処かから沖田の声がした。

「せん…
うわ…何やってんすか土方さん
まさかんなとこで銀八犯すつも「沖田!!それ以上言ったら課題増やすぞ!!」」

「チッ…、土方さん、俺とそこ交換しやしょうぜ」

「総悟、お前な…。」

「土方、もう平気…あんがと。」

「あぁ。」

浮き輪の後ろから土方がどく。

「じゃあ今日の夜先生んとこ遊びにいきまさぁ
今日疲れてるでしょうからイチコロ…」

「お、沖田…?」

「てめェ、マジで言ってんなら…。」

「冗談でさぁ
ほら、他のプール行きやしょう」


沖田はそう言うと別の場所に行ってしまった

「アイツなにしに来たんだよ」

「さ、さあ…。」






その後プールから一旦でて他のプールまで歩いている途中、土方がふっと耳元で囁いてくれた言葉。



「銀八、来年は2人だけでこような」






夏なのに、ふっと柔らかい春みたいな風が吹いた気がした











「あぁ。」












来年、土方は大学生になる。


その時には…もう俺らは生徒と教師って関係ではなくなって、本気で向き合える仲になるんだろうな。勿論今だって本気だけど…。



来年の夏…また来よう。







そっと土方に触れるだけのキスをした。






























封無っ!めちゃ待たせちゃってすいません!!!!

プールで…イチャコラって、場所を選ばない…
そんな土銀が好きです^ρ^←
総悟はさりげなく銀ちゃんを狙ってるといい笑

こんなんですがよかったらお持ち帰りください!!

































あきゅろす。
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