最後の砦が破られました





「ねぇ、気持ちいい?変態さん」




沢田さんがそう聞いてきたけれど、抜き差しされる指にただ喘ぐ事しか出来ない私には答えようがない。
勿論、答えはNOなんだけど。




「っあッ…や、さわだ、さんっ…」

「……ツナって呼んでよ。ムード出ない」

「…え?」

「ほら、言わないと今度はこの穴に手首まで捩込むよ?…それとも『ご主人様』の方がいいのかな?」

「い、いうっ!言うからっ!」



指だけでも痛いのに、手首なんか挿れられたら。
…どうなるかなんて、想像もしたくない。




「…つ……ツナ…」

「ん?なあに?」

「…ツナ………さん」

「……まぁ、さん付けでいいか…。で?何?」

「っも、…指、抜いて……」

「抜いていいの?こんなに涎垂らして快んでるのに…カメラ撮ってるのにね、はしたない」

「っ……んっ」

「…ああ、それとも」

「ひゃっ」



つぷり、とさわ…ツナさんが、指を抜いた。……そんな事にまで声を出してしまう自分が、何だかどうしようもなく悲しかった。
だけど悲しむ私なんか気にもせず、ツナさんは残酷な言葉を投げかける。





「指じゃ、もう足りないんだね」




……え、と聞き返す前に。
カチャリ、という、嫌な音が聞こえた。



「…ツ、ナさ…?」

「何?」

「…なに、して……」


「何って……準備。…これが欲しいんだろ?」




これ、の言葉と共に、…私の絖った秘部に、熱いナニカが宛てがわれた。
…熱くて、硬い、ナニカ。




「っ…い、嫌ッ!!!」

「これだけビチョビチョに濡らして自分で腰振っておいて嫌、はないでしょ」

「わ、たし…っ初めては好きな人と…っ」

「可愛い夢だね。…なら、俺の事好きになっちゃえば?」

「ッあぁあっ!!!」




ズン、と。ツナさんのソレが私の中に侵入ってきて、私は一層高い声を上げた。幻聴かもしれないけど、何かが破れたような音がして、…腿を、紅い液体が伝った。
……ああ、私、汚れちゃったんだなんて。
自覚はできたけど、信じる事はできなかった。






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