one





「い…や、やだっ」



こんな、強姦紛い…というか強姦で女として大切な初めてを迎えるなんて。そんなの、嫌だ。




「離して……っ、んぅ!」



足をじたばたとさせて精一杯の抵抗をする私の唇に、男の人の唇が触れた。触れると言うより、噛み付くようなキス。
……どうしよう、いよいよファーストキスが奪われてしまった。思わず緩んだ抵抗の隙をつかれて、にゅるりと口に侵入してくるナニカ。それは私の舌に絡み付き、歯列をなぞり、私の咥内を味わっていく。
……気持ち、悪い。



「ん…ふぅ、んッ」



気持ち悪い、はずなのに。
頭は段々ぼうっとしてきて、いつの間にか抵抗していた足は鎮まっていて。口の中を這う男の人の舌に、私はなにかを求めている。
…どうしたんだ、私。



「んぅ……ッはぁっ、っは…」



ようやく解放された口は酸素を求め、荒い息を繰り返した。…銀色の糸が男の人の唇から私のへと繋がっていて、……恥ずかしくなって、思わず目を背けた。そんな私を見た男の人はくすっと笑って、私の目の前まで顔を近づけた。




「顔真っ赤。可愛い」

「っ…!!!」

「俺、沢田綱吉。ツナ、でいいよ。君は?」

「…っ離して、帰して!!!」

「ねぇ、名乗られたら名乗り返すのが常識じゃない?…それとも、痛い目に遭いたいとか?」

「……っ…みょうじ、なまえ…」

「そ、なまえね」



いきなり呼び捨てかい、なんてツッコミを入れる間もなくて、とうとう私の上の服は全て剥ぎ取られた。「破るよ」なんて確認はあったけど、承諾もしないままキャミソールなんかは引き裂かれて。
あとは、ブラジャーだけ。




「ふーん…胸、ちっちゃいね」

「なっ……」

「大丈夫、俺が大きくしてあげるから」

「え、……んあっ」



言葉と同時に強い力で胸を握られ、…なんか、変な声が出た。
ていうか、痛いってば。



「いたっ…あ、んっ、…痛いってば!!」

「ふーん、痛いんだ。…なら何でそんなに顔赤いの?」

「え…?」

「ふふ…ディーノさんの言ってた通りだ。なまえってマゾだね」

「違っ……、ッ!」




否定しようとした口が、小さく悲鳴を上げた。とうとう上の下着もたくし上げられ、素肌に冷たい空気が触れたから。
と同時に、男の人…沢田さんがぱくり、と胸の頂にしゃぶりつく。




「!や…っは、あッ…んっ」




ちゅば、ちゅば。…そんな水音と共に、沢田さんは私の乳首を吸って、時々周りを舐めたり、甘噛みしてきたりする。さっき揉まれた時よりもずっと優しく、やさしく。
それに合わせて、私からは出したくもないのに変な声が出る。
何だろう、妙に下半身が疼く。




「うわ、ピンピン…カメラー、これ撮って」

「っ!?ちょっ、何……!」




沢田さんの言葉でカメラが私の胸に向き、唾液塗れのそれをじーっと見つめる。…恥ずかしくて、私は顔をふいっと背けた。のに。




「女優サン、ちゃんとカメラ向かなきゃ駄目だよ?」



まるで子供を窘めるような言い方で、沢田さんが私の顔を掴みぐりっと方向を変えた。そこには、今私の胸を撮ってるのとは違うカメラが。




「なっ……」


「カメラ、出来ればこの子中心で撮ってくれる?俺映さなくていいから」

「あれ、珍しいねー。ツナが主役譲るなんて」

「んやぁっ!あっ」

「うん、今回の主役はなまえだから。乱れてるとこいっぱい撮ってあげて」

「おっけ」

「っん、あ…ちょっ…あッ」




こいつ、人の乳首を指で弄りながら他人と会話してやがる。
……セックスって、もっと…集中するもんじゃないのか。とは思うけど、口から出るのは喘ぎ声だけ。
……なんか、嫌だ。




「もっ…止め、てぇ……ああっ!!!」

「『止めてください』、でしょ?……まぁ言われても止めないけど」



ようやくまともな言葉を出した瞬間、頂を強く抓られ、痛みが身体を駆け抜けた。
……なのに、どうしてだろう。さっきからずっと、痛かったり、嫌だったりするのに。…いつも尿を排出するだけの部分から、尿じゃないとろとろとした液体が溢れてくる。




「…よし、じゃあそろそろ…こっち、行こうか」



身体を駆ける妙な感覚に唇を噛み締める私をよそに、沢田さんはそう言いながら、私の下腹部に手を伸ばした。






あきゅろす。
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